2000 Fiscal Year Annual Research Report
果物摂取状況が血圧に及ぼす影響についての地域住民を対象とした大規模疫学研究
Project/Area Number |
12770200
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
武隈 清 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50315876)
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Keywords | 高血圧 / 果物 / 疫学研究 / 横断研究 / 男女差 |
Research Abstract |
平成12年度において、某地域・職域健診で得られた結果をデータベース化するための作業を行った。データベース整備後、平成10年と11年のデータを用いて、果物摂取状況と血圧に関する横断研究を実施した。対象者数は、血圧の情報と12項目よりなる簡易食事頻度調査票の回答を得た40歳以上79歳未満の男性15,383人、女性9,140人である。果物摂取状況は、調査票の結果より、1群:ほとんど食べない、2群:週に1〜2回食べる、3群:週に3〜6回食べる、4群:毎日食べる、の4群に群別した。統計解析は、男女別に共分散分析にて年齢、BMIを補正し、各群別に収縮期血圧、拡張期血圧について、Tukey法にて多重比較し、トレンド検定も行った。さらに、収縮期血圧140mmHg以上を収縮期高血圧、拡張期血圧90mmHg以上を拡張期高血圧と定義し、果物をほとんど摂取しない群を対照群として、収縮期・拡張期高血圧との関連を多重ロジスチック回帰分析にて、男女別に年齢、BMI、飲酒、喫煙で補正して検討した。なお、p<0.05を統計学的に有意とした。多重比較の結果では、男性では、収縮期・拡張期血圧とも1群に比し、2、3、4群が有意に低値であった。また、トレンド検定の結果も有意であり、果物摂取頻度と血圧との間に負の量反応関係が認められた。一方、女性では、4群間に有意な差を認めなかった。多重ロジスチック回帰分析の結果、男性における各群の収縮期高血圧に対するオッズ比(95%信頼区間)は、2群0.78(0.69-0.89)、3群0.64(0.56-0.73)、4群0.65(0.56-0.76)。また、拡張期高血圧では、2群0.70(0.60-0.83)、3群0.59(0.49-0.70)、4群0.60(0.50-0.73)であった。一方、女性においては、果物摂取と収縮期・拡張期高血圧との間に有意な関連は認めなかった。今回の解析結果より、男性においては、果物摂取状況と血圧は有意な負の関連を認めた。また、多重ロジスチック回帰分析にて飲酒、喫煙等の交絡因子を調整した結果でも、果物摂取が男性の高血圧発症の危険の低下と関連していることを認めた。男女差が見られた理由については、今後の検討課題と考えられた。
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Research Products
(1 results)