2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770209
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Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health Sciences |
Principal Investigator |
上村 智子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (80280204)
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Keywords | 福祉用具 / 福祉機器 / 排泄 / 評価 / 介護保険 |
Research Abstract |
近年,快適に排泄するために開発が進められてきた温水洗浄機能つきポータブルトイレの自立を促す福祉用具としての臨床評価を行った.利用したのは,横移乗でベッドからトイレに移れるベッドサイド型のものである. 上肢障害のために排泄後のお尻拭きに介助を要する人がこのポータブルトイレを利用すると,温水洗浄機能無しのものに比べて,尿臭が緩和して,より快適に排泄できることが確認された.ただし,この機能があると,利用者本人が介助を求めなくなる場合もあったので,洗浄後の水分除去を確認して,皮膚トラブルを予防する必要性が明らかになった. また起居・移動動作に障害のある人が使った場合,使用開始3日目(使用23回目)に腰掛ける位置が浅すぎて衣類や床を濡らすというトラブルが生じた.この予防対策機能をポータブルトイレ側に求めるべきか否かについては今後さらに検討を要する.一方で,トラブル発生が使用開始3日目に生じたことから,福祉用具の適応や効果を調べるには,数日間の試用を要することが示唆された. 現在,介護保険においてポータブルトイレは購入費支給サービスの対象になっている.貸与に適さない福祉用具の場合,高性能で有効な用具を効率良く普及させるには,用具を試用できるシステムづくりが必要かもしれない. 本調査では,1週間すべての排泄にこのポータブルトイレを利用していただき,用具使用前後の利用者本人と介護者へのインタビュー,毎回の排泄で介護者が記入するチェック表,ビデオを用いた動作分析などを行った.これらの手法により,福祉用具の短期的な効果を調べることができた.今後,効果検証の調査期間の影響についても調べる予定である.
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Research Products
(1 results)