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2001 Fiscal Year Annual Research Report

不整脈治療薬の心臓血中濃度が死後上昇する機構の解明に関する研究

Research Project

Project/Area Number 12770218
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

吉留 敬  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40304307)

Keywordsflecainide / forensic toxicology / postmortem changes of drugs / perfusion / intergradation / distribution / acidification
Research Abstract

頻脈性不整脈治療薬は,高齢化の進む我が国において必須の医薬品なっており,今後法医剖検死体から投与量の適切さの評価や,過剰投与と死因との因果関係の判断を迫られる薬物である。
先ごろ,頻脈性不整脈治療剤酢酸フレカイニドの過剰投与の疑いの有る剖検例を経験し,生前に採取された血液と剖検試料の血液中の薬物濃度の分析を行ったところ,死後試料では生前試料の17.7倍と著しく高値を示した。このことは薬物の投与量の適切さに対する評価や死因の診断を誤らせる恐れのあることを示しており,看過できない問題である。
フレカイニドは遊離状態で塩基性を示す薬物であり,死戦期から死後にかけての血液の酸性化によって,より極性の低い臓器組織中に移行していた薬物がより極性の高い血液中へと移行し,薬物の血中濃度が上昇するのではないかと考えた。
そこで昨年度,この問題に解決を与えることを目的として,実験的に酢酸フレカイニドを投与したウサギを用いて,心臓血の薬物濃度の死後経時変化を調べ,死後心臓血中のフレカイニド濃度は経時的に上昇することを明らかとした。さらに,臓器の灌流実験を行うことで,この機構の一つとして血液のpHの低下が関与していることを明らかにした。
今年度は肺以外の臓器として,肝臓について同様の灌流実験を行い,肺と同様に灌流液のpHの低下によって灌流液中の薬物濃度が上昇することが明らかとなった。
しかし,事例においては死後の薬物濃度は生前の17.7倍であったのに対して,実験では約3倍にしか上昇しておらず,その差は大きく,この理由として,死戦期から死後にかけての心マッサージによる影響が考えられる。

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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