2001 Fiscal Year Annual Research Report
老化によるナチュラルキラー細胞活性の低下に関する基礎的検討
Project/Area Number |
12770241
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
横瀬 紀夫 日本医科大学, 医学部, 助手 (40230643)
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Keywords | 老化 / ナチュラルキラー細胞 |
Research Abstract |
フローサイトメーター(FCM)による検討では、若年者、高齢者のNK細胞表面のFas ligand(FasL)発現を検出できなかった。FasLの細胞表面からの遊離を阻害する蛋白分解酵素阻害剤存在下の検討でも同様であった。MACSを用いて純化したNK細胞のCD95陽性Jurkat細胞に対するapoptosis誘導能の解析を混合培養系で行った。手法は^3H-thymidine標識のJurkat細胞をtargetとしたcytotoxic assay(Proc. Natl. Acad. Sci USA 94 : 5860-65,1997)、および、FCMを用いたJurkat細胞に対するannexinV発現誘導測定の2種類を用いたが、いずれの方法でもNK細胞に有意なFasL活性は認められなかった。特に^3H-thymidine標識のJurkat細胞をtargetとしたcytotoxic assayについては、過去の報告と同条件または条件を変えて、末梢血単核球(PBMNC)のFasL活性を測定してみたところ、論文とは異なりPBMNCのFasL活性は検出できなかったことから、assay系になんらかの問題があることが考えられた。今後はNK細胞の細胞内FasL発現の測定を行ない若年者、高齢者間で比較検討を行う予定である。また、FasL活性を安定して測定できる系の確立が本研究にとっては重要であり、今後も検討を重ねていく必要がある。なお、これまでに採血を行ってきた高齢者についてそのNK活性と感染症発症の有無を臨床的に検討したところ、performance status不良な高齢者において、低NK活性と、感染症発症および感染症死の間に相関があることが示された。
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Research Products
(1 results)