2000 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサテライトの不安定性を利用した遺伝子導入法の開発-癌細胞特異的遺伝子導入法-
Project/Area Number |
12770250
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 成一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40312574)
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Keywords | マイクロサテライト / 遺伝子治療 / ジフテリア毒素 / アデニン塩基 |
Research Abstract |
まず始めに、プラスミドpBluescript IIに組み込まれているサイトメガロウィルスのプロモーター遺伝子を、promega社の発現ベクターpTARGET Mammalian Expression Vector Systemにインサートした。次に、同様にプラスミドpBluescript IIに組み込まれているジラテリア毒素A遺伝子の5'側コーディング領域の構造を、シークエンス法で詳細に解析した。幾つかの制限酵素部位を同定したが、その中でNsi IからHaeIIIまでの68bpをdeleteし、蛋白の読み枠が合致するよう中にアデニン塩基を連続9塩基挿入したオリゴヌクレオチドを合成・アニールし(double strand)、deletion部にインサートした。挿入したアデニンストレッチの位置により計3種類のベクターを作成した。この3種類のベクターについて、実際にジフテリア毒素A遺伝子の蛋白読み枠と合致することを、ABI 310 Sequencerを用い直接シークエンス法で確認した。 次にネオマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドに、上記3種類の改変ジフテリア毒素A遺伝子と、コントロールとなる通常のジフテリア毒素A遺伝子を導入した全部で4種類のベクターを作成した。さらにマウスES細胞に、これら4種類のプラスミドベクターとネオマイシン耐性遺伝子だけを持つプラスミドベクターをエレクトロポレーション法で導入した。ネガティブセレクションにネオマイシンを使用したため、通常のジフテリア毒素A遺伝子と同様に改変ジフテリア毒素A遺伝子では細胞死が予想されたが、実際は細胞死が起こらず、毒性を発揮していないと考えられた。現在毒性を失わないよう、新たにアデニンストレッチを挿入する制限酵素部位を検討中である。
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