2001 Fiscal Year Annual Research Report
融合樹状細胞を用いた自己免疫性肝炎特異的自己抗原の同定
Project/Area Number |
12770280
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小池 和彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30317953)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / 自己抗体 / 自己抗原 / 抗体依存性細胞障害 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が新たに作製した高分化型肝癌細胞と融合樹状細胞の融合細胞移入によるマウス自己免疫性肝炎(AIH)モデルに出現する、正常肝細胞を認識する抗体の認識抗原を同定することにより、未だ同定されていないAIHの疾患特異的自己抗原を明らかにすることである。さらに本年度は本抗体の抗体依存性細胞障害(ADCC)を介した肝細胞障害への関与についても検討を加えた。 *抗体認識抗原に対する細胞性免疫反応の解析と認識抗原を用いたモデル再構成 (1)大腸菌発現ベクターを用いた抗体結合タンパクのスクリーニング ヒト肝poly A(+) RNAより作製した肝cDNAライブラリーを各種制限酵素にて切断して得られた遺伝子断片を、大腸菌T7発現ベクターpGEMEX-1に導入し、T7 gene 10融合タンパクとして大腸菌表面に発現させ、抗体と結合するクローンを選別し抗体結合タンパク遺伝子の同定を試みた。その結果2種類の候補遺伝子を同定することができた。 (2)遺伝子パルスDCの移入によるAIHモデル誘導の確認 同定した候補遺伝子をパルスしたDCの移入によるAIHモデルの再構成を試みたが、肝炎を誘導することができなかった。 *抗肝細胞抗体の正常肝細胞に対する抗体依存性細胞障害(ADCC)の検討 ^<51>Crラベルした正常肝細胞およびhepa1-6細胞を標的細胞に用い、本モデルで出現する抗肝細胞抗体の抗体依存性肝細胞障害性をADCCアッセイにより解析したところ、弱いながらもADCC活性が認められ、本モデルにおいて抗肝細胞自己抗体が肝細胞障害機序に関与している可能性が示された。
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