2000 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎のインターフェロン治療抵抗性とHCV遺伝子変異との関連
Project/Area Number |
12770286
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
村島 史朗 久留米大学, 医学部, 助手 (70299501)
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Keywords | 2',5'-OAS / 慢性C型肝炎 / インターフェロン |
Research Abstract |
慢性C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)が原因で起こる疾患であるが、自然経過で肝硬変、肝癌へと進行する予後不良の疾患である。現在唯一の治療法としてインターフェロン治療が行われているが、半分以上の患者は治療抵抗性である。1996年にHCV遺伝子のNS5A領域の遺伝子領域が慢性C型肝炎のインターフェロン治療抵抗性と関連が示され、NS5A領域がコードしている蛋白がインターフェロン抵抗性に重要な役割を果たしていることが示唆された。インターフェロンにに投与より2',5'-OAS,PKP,Mx蛋白等の抗ウイルス物質が産生されるが、現在NS5A蛋白がPKRを直接阻害することがin vitroの実験で示されておりこれがインターフェロン治療抵抗性の重要な機序の一つであると考えられている。しかしウイルス排除に重要な役割を果たしていると考えられている2',5'-OASについてはi未だに検討されていなかった。よって、我々はNS5Aの変異と2',5'-OASとの関連を実際の患者の検体より調査し、インターフェロン等与前の自然感染の状態では治療抵抗性のNS5A遺伝子を持つHCVでは抗ウイルス物質である2',5'-OASが有意に低下していることを示しヨーロッパの著名な雑誌に掲載した。現在肝癌細胞株にNS5A蛋白を発現させ、どの様な機序で抗ウイルス蛋白である2',5'-OASやPKRが抑制されるか様々な面より検討中である。
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Research Products
(1 results)