2000 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌性気道感染症に対する線毛蛋白及び抗体の経気道的投与による感染抑制効果
Project/Area Number |
12770298
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
平松 和史 大分医科大学, 医学部, 助手 (80301381)
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Keywords | 緑膿菌 / 気道感染症 / 線毛蛋白 / 感染抑制 / 能動免疫 / 受動免疫 |
Research Abstract |
これまでに我々は4種類の抗緑膿菌線毛蛋白モノクローナル抗体を作成している。現在これらのモノクローナル抗体のアミノ酸レベルでの認識部位を調べるため、緑膿菌線毛蛋白遺伝子領域(pilA)をPCR法を用いて断片化し、大腸菌内で発現させ、断片化緑膿菌線毛蛋白と各モノクローナル抗体の結合の有無をウェスタンブロット法により検討している。これまでのところ我々が作成した抗緑膿菌線毛蛋白モノクローナル抗体は、いずれも線毛蛋白のC末端側1/3を認識していた。現在このC末端側約50アミノ酸の中のどの領域を認識しているのかをさらに細かい断片化した発現蛋白を用いて解析中である。 またサッカロース密度勾配超遠心法を用いて精製した緑膿菌線毛をBalb/cマウスに皮下または経気道的に投与したところ、皮下免疫群では血清中の抗緑膿菌線毛IgGが高くなっていた。一方、気道免疫群では血清中及び気道洗浄液中の抗緑膿菌線毛IgAが高くなっていた。気道上皮での感染防御においてIgAは非常に重要な役割をすることが知られており、線毛蛋白による能動的免疫の有用である可能性が示唆された。 現在、このような能動免疫あるいはポリクローナル、モノクローナル抗体を用いた受動免疫による緑膿菌性気道感染症に対する感染抑制効果について、アガービーズ法を用いた緑膿菌感染マウスモデルを用いて検討を行っている。
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