2001 Fiscal Year Annual Research Report
癌ワクチン療法による肺癌制圧のための分子免疫学的解析
Project/Area Number |
12770307
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
秋吉 裕也 久留米大学, 医学部, 助手 (50289394)
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Keywords | 肺癌 / ペプチドワクチン / 癌ワクチン療法 / 第I相臨床試験 / Evidence-based |
Research Abstract |
久留米大学免疫学教室〔伊東恭悟教授〕でcyclophilin B, SART-1抗原をはじめとするHLA-class I抗原関連癌退縮抗原の同定された(Shichijo, JEM,1997,Nakao, JI,2000etc)。H12より世界に先駆け久留米大学病院にてCypB, SART-3等の癌ペプチドワクチン第I相臨床試験を行っている。HLA-A24陽性の肺癌、大腸癌、食道癌、乳癌、婦人科癌、転移癌症例に対して開始された。これまでのところSide effectは注射局所の炎症反応以外なく、個々の患者さんの癌に対する特異的キラーT細胞活性はほぼ全例(90%)に於いて増強された。この結果Side effectは注射局所の炎症反応以外なく、個々の患者さんの癌に対する特異的キラーT細胞(CTL)活性はほぼ全例(90%)に於いて増強された。しかしながらペプチドワクチン単独では当初我々が予想したように臨床効果すなわち高度進行癌の著明な縮小は見られなかった。 そこで現在我々は新しいペプチドワクチンプロトコールの第I相臨床試験を開始した。この特徴は1.あらかじめ患者末梢血中のペプチドに対するCTL前駆体(HLA-A24陽性患者では14種類の癌ペプチドに対し、HLA-A2陽性患者では16種類の癌ペプチドに対し)の存在を確認し陽性のペプチドのみを投与する。 2.ペプチドワクチンプロトコール終了後、すなわちペプチド3回終了後に積極的に抗癌剤の併用を開始する。 今回の新しいペプチドワクチン第I相臨床試験はEvidence-basedの癌ワクチン療法で従来のペプチドワクチン単独に比べ高い臨床効果が期待できる。
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