2001 Fiscal Year Annual Research Report
心肥大発現の細胞内情報伝達系の解明―Redox Sensitive Kinaseの役割―
Project/Area Number |
12770337
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 講師 (40272067)
|
Keywords | Signal transuduction / Hypertrophy / Heart failure / MAP kinase / Oxidative stress |
Research Abstract |
平成12年度の心肥大・心不全動物モデルでの検討に引き続き、平成13年度は心移植を受けたヒト末期心不全症例において、Src、BMK1の活性を検討した。摘出した心臓の左心室心筋から蛋白を抽出し、Srcの活性はActivated formのみを検出する抗体clone28を用いて、BMK1の活性はautophosphorylationによるkinase assayにて測定した。同じMAPキナーゼファミリーであるExtracellular signal Regulated Kinase(ERK1/2)は活性化されていたが、Src、BMK1の活性は末期不全心で低下していた。これまでの培養細胞や動物実験の検討からSrc-BMK-1は酸化ストレスで活性化される。大動脈バンディングによる圧負荷心不全モデルでは、術後4週の代償性肥大期ではSrc-BMK-1の活性化が認められ、8週後の非代償性の心不全に陥るとSrc-BMK-1の活性は逆に低下した。ヒト心不全では酸化ストレスが増加しているが、Src-BMK-1の活性が低下していたことはとても興味深い。 内頚動静脈シャント手術を行い、容量負荷による遠心性の肥大心を作成した。容量負荷肥大心の細胞内シグナル伝達を検討するため、心筋から蛋白を抽出し、ERK1/2、p38MAPキナーゼ、JNK、Aktの活性を測定し、大動脈バンディングによる圧負荷肥大心と比較した。圧負荷ではERK1/2、p38MAPキナーゼの活性化を認めたが、容量負荷では術直後よりAktが活性化され、12週後まで活性化が継続した。異なった機械的負荷による肥大形成に、別々のシグナル伝達経路が関与している可能性が示唆された。 単離心筋細胞で、インスリン様成長因子の心筋細胞肥大に対する効果を検討した。これまで報告されていたMEKを介する経路のほかに、細胞肥大の発現にプロテインキナーゼCとカルシニューリンが必須であった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Takeishi Y., et al.: "Activation of multiple mitogen-activated protein kinases and p90 ribosomal S6 kinase in failing human hearts with dilated cardiomyopathy"Cardiovascular Research. 53. 131-137 (2002)
-
[Publications] Miyashita T., Takeishi Y., et al.: "Calcineurin is involved in insulin-like growth factor-1-induced hypertrophy of cultured adult rat ventricular myocytes"Japanese Circulation Journal. 65. 815-819 (2001)
-
[Publications] Miyashita T., Takeishi Y., et al.: "Recruitment of muscarinic receptors for generating nitric oxide in cardiac microvascular endothelial cells"Japanese Circulation Journal. (in press). (2002)