2001 Fiscal Year Annual Research Report
カリウムチャンネル遮断薬による心筋Ca^<2+>依存性シグナルの活性化
Project/Area Number |
12770352
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田原 聰子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80296566)
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Keywords | 4-aminopyridine / K channel blocker / ERK / EGFR |
Research Abstract |
本研究ではK+チャンネル遮断薬の使用と心筋Ca2+依存性シグナルならびにERKの活性化の関係を明らかにした。 ラットの新生児培養心筋細胞に対し、以下の実験を行った。 1.K+チャンネル遮断薬4-aminopyridine(4-AP)投与による活動電位の測定及び蛍光色素による[Ca2+]-transient測°定を行い、活動電位持続時間の延長と心筋細胞内Ca2+濃度の増加を認めた。 2.K+チャンネル遮断薬投与によるERKの活性化 培養液中にK+チャンネル遮断薬(4-AP、TEA、Quinidine、E-4031)を添加し、抗リン酸化ERK抗体を用いてWestern blotを行ったところ、全ての薬剤にてERKの活性化が認められた。 3.心筋細胞のERK活性化にいたる経路を解明するため、細胞内Ca2+シグナル伝達経路の特異的阻害薬を培養心筋細胞に前投与し、4-APによるERKリン酸化を検討した。Ca2+キレート剤(EDTA、BAPTA-AM)、L型Ca2+チャンネル遮断薬(diltiazem)、EGFR遮断薬(AG1478)、Pyk2阻害薬(cytochalasinD)では抑制され、PKC阻害薬(chelerythrine)、CaMK II阻害薬(KN92)、CaM阻害薬(calmiddazolium)では抑制されなかった。 4.4-AP刺激によるEGFR、Pyk2の活性化を免疫沈降Western法にて検討し、EGFR、Pyk2のチロシンリン酸化を認めた。またEGFRのdominant-negative mutantを用いて、in vitro kinase assayを行ったところ、4-APによるERK活性はほぼ完全に抑えられた。 Kチャンネル遮断薬は細胞内Ca2+の増加によりPyk2、EGFRを介してERKを活性化した。
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Research Products
(1 results)