2000 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型心筋症における新規自己抗体「抗Na-K-ATPase」の催不整脈作用
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12770376
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
馬場 彰泰 (社団法人)北里研究所, 北里研究所病院, 内科研究員 (60296572)
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Keywords | 拡張型心筋症 / 自己抗体 / 催不整脈作用 / 心肥大 |
Research Abstract |
抗Na-K-ATPase抗体の有性鶏卵に対する催不整脈作用 蛍光免疫染色法およびwestern blottin法にて心筋細胞膜Na-K-ATPaseポンプに対する抗原抗体反応を確認している、拡張型心筋症患者1例の血清からAffi-Gel protein-A MAPS II kit(Bio-rad)によって免疫グロブリンG(IgG)を精製した。有性鶏卵に精製IgGを0.5mg/卵,1.0mg/卵,2.0mg/卵(各々n=6)ずつ添加し、投与0,5,10,20,40,60分後の心電図変化を測定した。合わせて、自己抗体を有さない拡張型心筋症患者の血清を同様な方法で精製し、得られたIgGをコントロール群(2.0mg/卵,n=6)として使用した。容量依存的に投与60分後まで、有意な心拍数の減少を認めた。高度ブロックや徐脈はコントロール群では認めなかったが、0.5mg/卵では60分後に2/6の頻度で、1.0mg/卵では20分後に2/6,60分後に4/6の頻度で認めた。2.0mg/卵では投与5分後より不整脈出現があり、60分後には5/6の頻度で徐拍性不整脈が出現した。Na-K-ATPaseのβサブユニットの前投与ではこれらの不整脈出現に著変なかったが、αサブユニットの前投与にて不整脈出現は有意に減少した。 Na-K-ATPase自己免疫ラットモデルの作成 6週齢のSDラットに、Na-K-ATPase1gを完全・不完全フロイトアジュバントとともに、1回/月ごとに反復免疫した。アジュバント単独およびPBSアジュバント混合物をそれぞれコントロール群として使用した。血漿BNP値および免疫開始2ヶ月後の心体重比は、実薬群で有意に上昇していた。標準四肢心電図では、実薬群で全期外収縮数が増加していたが、免疫5ヶ月までのあいだに突然死するラットは認められなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshikawa T,Baba A,Suzuki M,Yokozuka H, et al.: "Effectiveness of carvedilol alone versus carvediol + pimobendan for severe congestive heart failure."Am J Cardiol. 85(12). 1495-1497 (2000)
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[Publications] Nakamura I,Yoshikawa T,Anzai T,Baba A, et al.: "Presynaptic modulation of the norepinephrine-induced beta-adrenergic receptor desensitization phenomenon in vito."J Card Fail. 6(4). 350-358 (2000)