2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳室周囲白質軟化症の脳波デジタル解析を利用した神経生理学的検討
Project/Area Number |
12770384
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 彰久 名古屋大学, 医学部, 助手 (60303624)
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Keywords | 早産児 / 脳室周囲白質軟化症 / 脳波 |
Research Abstract |
早産児脳波のθ・α・β成分について、脳波デジタル情報を解析することにより、受胎後齢による変化および急性期異常による変化が反映されるかどうか検討した。 早産児の脳波を高速フーリエ変換し、脳波パワーの平方根を振幅として解析を行った。両側の前頭部、中心部、後頭部を関電極、同側の耳朶を不関電極とした単極誘導を用い、時定数は0.3秒とした。動睡眠の高振幅徐波パターンの10秒断片を各々6箇所解析し、その平均値を算出した。正常例の受胎後例による変化の検討には受胎後齢29-30週、31-32週、33-34週の各10例の脳波を、急性期異常による変化の検討には受胎後齢27-28週、29-30週の脳波を用いた。今回は、4-6Hz、6-8Hz、8-12Hz、12-20Hz、20-30Hzの5周波数帯域に分けて検討した。統計学的解析にはMann-WhitneyのU検定またはKruskal-Wallis検定を、多重比較検定にはTukeyの方法を用いた。 1)正常例の受胎後齢による変化:4-6Hz・6-8Hzのθ成分は、どの誘導でも29-30週では33-34週に比べて高振幅であったが、31-32週とは差がない誘導が多かった。8-12Hz・12-20Hz・20-30Hzの成分ではほとんどの誘導で受胎後齢による差を認めなかった。2)急性期異常による変化:27-28週では、右中心部の8-12Hzと両側の前頭部の12-20Hzで、急性期異常群が有意に低振幅であった(それぞれp<0.05)。29-30週では、左中心部と両側後頭部の12-20Hzで急性期異常群が有意に低振幅であった(それぞれp<0.05)。それ以外の誘導・周波数帯域では統計学的有意差は認めなかった。 脳波デジタル情報解析により、受胎後齢による脳波変化はθ成分に、急性期異常による変化は速波成分に反映されやすいことが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Okumura A. et al.: "Hypocarbia in preterm infants with periventricular leukomalacia : the relation between hypocarbia and mechanical ventilation."Pediatrics. (in press). (2001)
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[Publications] Okumura A. et al.: "Bilateral basal ganglia-thalamic lesions subsequent to prolonged fetal bradycardia."Early Human Development. 58・. 111-118 (2000)
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[Publications] Hayakawa M,Okumura A. et al.: "The background EEG activities of very preterm infants born at less than 27 weeks of gestation : A study on the degree of continuity."Archives of Disease in Childhood. (in press). (2001)
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[Publications] Okumura A. et al: "Preterm infants with athetoid cerebral palsy : Kernicterus?"Archives of Disease in Childhood. (in press). (2001)