2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770443
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
望月 満 広島大学, 医学部, 助手 (60274073)
|
Keywords | IgE産生 / 表皮細胞由来因子 / アトピー性疾患 |
Research Abstract |
1.in vitroにおけるIgE産生系の確立:Balb/cマウスの脾細胞を採取し,10% FCS添加DMEM培地に浮遊し種々の濃度のIL-4,抗CD40抗体の存在下に培養を行い,培養上清中のIgE濃度をELISA kitを用いて測定した.IL-4 100ng/ml,抗CD40抗体10μg/mlの濃度で添加した際に最も効率的にIgE産生が誘導されること明した. 2.Balb/c由来の表皮細胞株であるPAM212細胞の可溶性画分(PAMex)のIgE産生におよぼす影響:PAMexはin vivoにおいてBalb/cマウスのIgE産生を著明に増加させることが明らかとなっているが,in vitroでの効果を検討した.PAMexの最終濃度が10%,1%となるように添加すると,培養上清中のigE濃度は,約1.5倍となった.更に磁気細胞分離システムを使用して,各構成細胞を除去し,IgE産生増強に必要な細胞の検討を行った,T細胞を除去すると,PAMexのIgE産生増強作用はほぼ完全に消失したが,単球あるいは樹状細胞の単独の除去ではIgE産生に影響を与えなかった. 3.既知のサイトカインをELISA kitを使用して測定したところ,IL-4 400pg/ml,IL-13測定感度以下,GM-CSF 500pg/mlであり,いずれのサイトカインも同濃度でIgE産生増強効果は認められなかった. 以前の研究で,PAMexはT細胞,B細胞には直接増殖活性を示さず,単球,樹状細胞の増殖を誘導することを明らかにした.今回の結果からは,T細胞がPAMexのIgE産生に必須であることが示された.このことから,PAMexは単球,あるいは樹状細胞の活性化を介して,T細胞を刺激し,IgE産生を促すものと考えられた.PAMexに含まれる活性物質の同定は来年度の最も重要な研究課題である.
|