2000 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌の筋層浸潤と子宮腺筋症のMRIによる鑑別〜angiogenesisの観点から
Project/Area Number |
12770476
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 優美子 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20292550)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 子宮体癌 / 子宮腺筋症 / MRI / 微小循環 |
Research Abstract |
T2強調MR画像でjunctional zone(以下JZ)の拡大・不明瞭化した子宮内膜癌症例でのdynamic contrast study(以下Dyn)のJZの増強効果と病理組織所見との相関を探り、視覚的評価のみで癌浸潤を鑑別可能か否かを調べた。 119例の子宮内膜癌症例中、JZが拡大・不明瞭化した31例に対し造影早期のJZの増強効果(良好・中間・不良の視覚的分類、漿膜側筋層(以下OM)とJZの信号強度比)を検討し、病理組織所見(JZ拡大部の組織診断、OMとJZの細動脈密度比)と対比した。JZ/OMの信号強度比と細動脈密度比は緩やかな正の相関を示した。視覚的評価での増強不良群は良好群に比べJZ/OMの信号強度比が有意に低かったが、両者と中間群の有意差はなかった。組織学的癌浸潤群では器質的異常を認めなかった群、腺筋症群に比べJZのOMに対する細動脈密度比が有意に低かった。腺筋症群は細動脈密度比にばらつきが大きく他群と有意差を認めなかった。器質的異常を認めなかった群、腺筋症群は造影良好群、癌浸潤群は造影不良群に分類される傾向にあったが、各々11%、33%、20%が中間群に属した。また腺筋症と癌の併存する2例では良好群と不良群に1例ずつ分かれた。 癌浸潤により拡大したJZではOMに比べ細動脈密度が著しく低下しており造影早期相で造影良好なOMと明瞭なコントラストを成し、視覚的に鑑別可能である。しかし未知の要因により両者の細動脈密度差の少ない癌浸潤例が一部存在すること、腺筋症と癌浸潤の併存例では両者の割合により細動脈密度比が変化することからDynによる鑑別には限界がある。
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