2000 Fiscal Year Annual Research Report
動脈塞栓術に関する実験的研究 塞栓物質の組成が血行動態に及ぼす影響について
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12770481
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 聡 金沢大学, 医学部, 助手 (30313638)
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Keywords | 生体顕微鏡 / ラット / 腸間膜動脈 |
Research Abstract |
平成12年度は、観察装置として生体顕微鏡は主にキーエンス社製高精細デジタルマイクロスコープVH-6300を使用、観察記録はSONY社製ビデオ装置WV-D9000を用い、評価にはアップル社製パーソナルコンピュータMacintosh G3を使用し、対象動物として月齢3ヶ月程度のオスのウイスター系ラットを用い、まず比較的血管確保等の手技が容易な腸間膜の血管を対象にして実験系の確立に努めた。具体的には小腸腸間膜の上腸間膜動脈回腸枝の分枝を穿刺し、逆行性に塞栓物質を注入することにより穿刺動脈分枝に隣接する動脈分枝領域に対して、血行動態を変化させることなく塞栓が可能となる実験モデルの作成に成功した。また、VH-6300を使用してこの実験モデルを観察することにより、血管内の塞栓物質の動態を直視下に観察可能であることを確認し得た。今後は具体的に液体塞栓物質である油性造影剤のリピオドールと抗癌剤、水溶性造影剤を種々の比率で混合したものをこの実験モデルの腸間膜動脈に注入し、塞栓物質の組成の違いが腸間膜血管の血行動態に及ぼす影響をVH-6300使用下で観察する予定である。また、予備実験によりVH-6300使用によるラット肝類洞の観察の可否を検討したところ、光源強度の問題によりVH-6300でのラット肝類洞レベルの血行動態観察が困難であることが判明したため肝内血行動態の検討は代替的手段を用いて行うこととした。具体的には腸間膜血管の血行動態の検討で使用する種々の塞栓物質をVH-6300観察下でラット肝動脈及び門脈に動注し、これらの血管及び肝類洞レベルに生じる組織学的変化を光顕的に観察、肝類洞血の血行動態の変化を検討し、動脈塞栓術時の塞栓物質の至適条件を推定する予定である。
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