2001 Fiscal Year Annual Research Report
動脈塞栓術に関する実験的研究ー塞栓物質の組成が血行動態に及ぼす影響について
Project/Area Number |
12770481
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 聡 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30313638)
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Keywords | 生体顕微鏡 / ラット / 腸間膜動脈 |
Research Abstract |
平成13年度は実際の実験を行い以下の結果を得た.ラット約50匹用い,各種塞物質の小腸動脈内での動態を生体顕微鏡で観察後,壁障害と検討し,さらに血管鋳型標本を作成検討することによって,安全な小腸動脈塞栓術の開発を試みた.コントロールとして用いたマイクロスフェアーは、球形で血管内でも形状が変化せず、サイズが均一であるという特徴を持ち、直動脈を塞栓するサイズのものが実験で用いた試料の中では塞栓物質として理想に近かった。ゲルフォームは、不整形で血管内で形状が変化し断片化する特性がある。このため塞栓レベルが限局されにくく、塞栓効果も一定ではなかった。また十分に塞栓した際には障害が強かった。ポリビニルアルコールは、不整形で血管内で形状が変化しにくく塞栓レベルは比較的限局していたが、個々のサイズにばらつきがありマイクロスフェアーと比較し塞栓レベルには幅があった。このため直動脈径より大きなサイズの際には障害が強かった。塞栓を目的とする血管の近位より(可能ならばその遠位も)閉塞させ、かつ末梢の血行が側副路で維持され、結果として腸管壁に明らかな壊死を惹起しない塞栓術が最適と考えられる.そのため塞栓を目的とする血管径に近いサイズで均一な塞栓物質が理想であり、また出血部位の遠位までカテーテルをすすめることができれば遠位および近位でのコイリングも有効と考えられた。 今後同様の実験を肝動脈,門脈に対して施行し,有用な肝塞栓術の開発を行う予定である.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小林聡, 松井修, 寺山昇, 他: "肝血流と脂肪沈着"消化器画像. 2(2). 179-185 (2000)
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[Publications] 小林聡, 松井修, 角谷眞澄, 他: "血行異常域に実質性変化を伴うもの(1)右胃静脈(pancreatico-pyloro-duodenal vein)還流域"画像診断. 21(1). 18-25 (2001)
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[Publications] 松井修, 南麻紀子, 小林聡, 他: "肝細胞癌および境界病変の血行動態-動注CTによる観察-"肝細胞癌の血行動態はどこまで分かったか. 47-58 (2001)
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[Publications] 松井修, 上田和彦, 南麻紀子, 小林聡, 他: "肝細胞癌の血行動態:動注CTによる解析とその意義"肝臓. 42(10). 503-511 (2001)
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[Publications] Kobayashi S, Matui O, Kadoya M, et al.: "Ct arteriographic confirmation of fatty infiltration adjacent to the falciform ligament assosiated with drainage of interior rein of Sappcy : A case report"Radiation Medicine. 19. 51-54 (2001)
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[Publications] Kobayashi S, Matsui O, Gabata T.: "Pseudo lesion on Segment W of the adjacent to the falciform ligament caused be drainage of the Para umbilical vein : demonstration by power Doppler ultrasound"Brit. J. Radiology. 74. 273-276 (2001)
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[Publications] 小林聡, 松井修: "肝腫瘍"沖田極編, メジカルビュー社, 東京. 208 (2000)