2000 Fiscal Year Annual Research Report
光を用いた舌癌組織内照射の治療効果の予測及び晩期合併症の早期診断に関する研究
Project/Area Number |
12770485
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 一徳 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30281059)
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Keywords | 舌組織 / 舌癌 / 組織内照射 / 時間分解分光測定法 / 光学的パラメータ / 治療効果 / 合併症 |
Research Abstract |
時間分解分光測定法により舌の光学的パラメータを精度よく測定するために,測定用プローブの開発・改良を行うとともに,時間分解曲線の解析方法を検討した。 1.舌用測定光プローブの考案・作製:舌縁部に照射用及び受光用光ファイバーを適切に配置するためにプローブを設計した。先端にプリズムを装着した光ファイバー(以下,プリズムファイバーと略す)を用いることによりヘッド部をコンパクトな形状・大きさに成型し,舌との密着性を確保した測定が可能となった。 2.プローブカバーに関する基礎実験:プリズムファイバーの耐久性の問題から滅菌操作が困難なためプローブカバーを使用することにした。各種材質を検討した結果,ポリエチレン製の材質において透過率,時間分解曲線の波形・光学的パラメータへの影響が小さいことを確認し,同材質でカバーを製作した。 3.装置関数測定用補助器具の製作:プリズムファイバーをプローブより脱着させることなく装置関数を測定可能な様にミラー・拡散板を用いた補助器具を製作した。その結果,測定を簡易化でき,プローブの耐久性も向上した。 4.解析方法の検討:測定によって得られる時間分解曲線を理論式にフィッテングさせることにより、光吸収係数や散乱係数等のパラメータを求めることにした。照射用と受光用ファイバー間距離は20mm以上で理論式にフィッテング可能であり,プローブの大きさと解析誤差の観点から当該研究ではファイバー間距離を20または25mmに設定した。 5.時間分解分光測定装置の調整:固体ファントムを用いて装置の調整及び再現性の確認を行った。 以上の研究成果により測定方法を確立し得たため、今後は生体での測定を進め,健常な舌組織の光学的性質の把握,舌癌組織内照射の治療効果及び合併症発生と光学的パラメータとの関連について検討していく予定である。
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