2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770492
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
中野 覚 香川医科大学, 医学部, 助手 (60311825)
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Keywords | MRI / 血液酸素飽和度 / 酸素消費量 |
Research Abstract |
【検討項目】 血液のT2^*は酸素飽和度により変化する。高精度のT2^*の測定が非侵襲的臓器酸素消費量の測定に重要となる。血液のT2^*測定の精度向上のため以下の検討を行った。1)静止ファントムにおける表面コイルによるT2^*測定、特にコイルからの距離と測定値の関係について。2)流体ファントムでのT2^*測定、特に流速が測定値に及ぼす影響と至適撮像パラメータの設定について。 【方法】 1)アガロースゲルファントムの表面に5インチの表面コイルを置きコイル表面よりの距離を変化させてgradient echo法(TE=8,40ms)にてT2^*の測定を行った。2)ファントム内にT1およびT2^*を動脈血(T1=786,T2^*=102)、静脈血(T1=781,T2^*=57)に疑似させた溶液を流し、流速や撮像パラメータ(TR、TE)を変化させてT2^*測定を行った。いずれの検討もT2^*の計算は次の式にて行った。 T2^*=(TE2-TE1)/(log SI_<TE1>-log SI_<TE2>) 【結果と考察】 1)T2^*=215ファントムの測定値はコイル表面からの距離が4cmより順に3cmづつ離れるに従い、82,152,107,186,168と変化した。これは、4cm程度ではTEの長い画像での信号低下のためT2^*が短く計算されるが、さらに距離が離れるとTEの長短に関わらずノイズの影響が大きくなるものと考えられた。表面コイルを使った測定は現状では補正式による補正は非現実的であり、コイル自体の変更が必要と考えられた。 2)撮像パラメータの検討では、静止体の測定ではTEがある程度長いほうが正確なT2^*値が得られたが、流体ではTEをある程度短くしないと精度が低下した。TRの延長は撮像時間の延長につながるが、流体における測定ではTRが短いと流速の変化に伴い測定値の変化が大きくなった。今回検討で至適と考えられるTR=100、TE=8,32msの検討では、流速を15,31,51,78cm/sと変化させるとT2^*値の測定値は動脈血疑似溶液では155,160,178,181であり、静脈血疑似溶液では74,73,91,73であった。静止している場合と比べると流入効果により測定値は大きくなるものの、それ以上の流速による変動は大きくなく、半定量的酸素飽和度の測定が可能であると考えられた。定量化にはさらなる精度の向上が望まれる。
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