2000 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムのホスホジエステラーゼ4(PDE4)の機能発現に及ぼす影響に関する研究
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12770518
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高橋 道宏 山形大学, 医学部, 助手 (80282200)
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Keywords | ホスホジエステラーゼ / リチウム |
Research Abstract |
1 方法 Sprague-Dawley系雄性ラット(130-150g)(日本チャールズリバー)に0.05%、0.1%および0.2%炭酸リチウム含有飼料を4週間投与した。対照群のラットには、炭酸リチウム非含有飼料を与えた。全てのラットは0.9%生理食塩水を自由に飲水できるようにした。尾採血を行い、原子吸光法で血清リチウム濃度を測定した。また、大脳皮質、海馬を採取し、RNA抽出キットによりtotal RNAを抽出した。1検体につき20μgのtotal RNAを用い、ノーザンブロット法により定量的に解析した。ハイブリダイゼーションはホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)特異的cRNAプローブを用いて、65℃で18時間行った。 統計はStudent t検定、Mann-Whitney U検定を用い、有意水準は0.05とした。 2 結果 (1)血清リチウム濃度 血清リチウム濃度は、0.05%、0.1%および0.2%炭酸リチウム含有飼料4週間投与群でそれぞれ、0.357±0.06mEq/l(n=6),0.468±0.03mEq/l(n=6),1.135±0.245mEq/l(n=9)であった。 (2)ノーザンブロット法による解析結果 0.2%炭酸リチウム4週間投与群では、前頭皮質において対照群と比較して129.72±8.7%(n=6;p<0.05;Mann-Whitney U test)と有意な増加を認めた。一方海馬では、対照群と比較して83.13%(n=6;p<0.01;Student t test)と有意な減少を認めた。0.1%炭酸リチウム投与群では、有意な変化は認められなかった。
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