2000 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病患者の視覚認知における前注意的処理の障害について
Project/Area Number |
12770528
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
片山 征爾 鳥取大学, 医学部, 助手 (90314575)
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Keywords | 精神分裂病 / 前注意的処理 / ポップ・アウト |
Research Abstract |
本研究は,分裂病患者の前注意的処理の障害を明らかにすることを目的とするが,今年度は健常者30名に対し視覚探索課題を行い,正常な前注意的処理の働きについて検討した。 刺激図版は,Pop-out条件,非Pop-out条件の2種類を用いた。Pop-out条件の図版として同心円状に配置した背景成分'X'の間にひとつの標的成分'L'をランダムに配置したものを,非Pop-out条件の図版としては背景成分'T'の間にひとつの標的成分'L'をランダムに配置したものを用いた。いずれも,成分数は6個,18個,36個の3段階を用意した。 椅子に座った被験者の前方にスクリーンを設置し,スライド映写機にて図版を提示した。被験者にはアイマークレコーダーを取り付け,検査中の眼球運動は全てビデオテープに録画した。 まずスクリーン中央に点を提示し,被験者にそれを凝視させた。図版が提示されたら標的を探し,見つけたらできるだけ早く手元のボタンを押すよう指示した。図形の提示順序はランダムで,5秒間隔で提示が繰り返された。 録画された眼球運動をコンピュータに取り込み解析を行った結果,Pop-out条件においては,成分数が増えても探索時間はほとんど増加しないこと,図版提示直後から視点が標的成分の方向に動いていることが明らかになった。 このことから,健常者では視覚認知における前注意的処理が正常に機能していることが示唆された。
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