2000 Fiscal Year Annual Research Report
走査型電子顕微鏡および超高磁場MRI顕微鏡を用いた大脳白質の立体構造の研究
Project/Area Number |
12770543
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
北畠 顕浩 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10295983)
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Keywords | 大脳白質 / 生後発達 / oligodendrocyte / astrocyte |
Research Abstract |
1 以下の2点を目的に実験を行った。1)3種類のグリア細胞oligodendrocyte,astrocyte,microgliaの細胞体と突起による分類を試み、それぞれの生後発達に伴う形態変化について観察する、2)oligodendrocyteは透過型電子顕微鏡上、発達時期により、light-medium-darkと形態が変化することが報告されている。それぞれの時期における走査型電子顕微鏡像を明らかにする。生後7、10、14、28、60のFisher344系ラットを経心臓的に灌流固定後、海馬采を含む水平断切片を作成し、走査型電子顕微鏡で観察を行った。標本は固定後、実体顕微鏡下で海馬采を注射針先端部で機械的に縦断方向に引き裂く。この後オスミウム固定後、脱水し、2-methyl-2-propanolに置換の後、凍結乾燥を行い、金属コーティングして、走査型電子顕微鏡により2次電子像を観察した。観察結果に関しては透過型電子顕微鏡および免疫染色を施した光学顕微鏡所見と比較し検討している。現在所見を解析中である。 2 岩手医科大学精神神経科外来及び入院症例から大脳白質に障害を有する症例を選択し、3T超高磁場MRIにて大脳白質のMRI情報を収集した。超高磁場MRIで得られた所見と精神症候との関連について現在検討を行っている。 3 成体ラットの脳をヒト用3T超高磁場MRIにて撮像した。撮像条件を様々に変更し、解像度の向上を図ったが、ヒトで得られるような顕著な灰白質/白質コントラストは得られず、解像度が不十分であった。2001年4月にラット用コイルを購入されることになっている。ここから得られる生体ラット脳の情報と病理標本との比較により、超高磁場MRI所見の解釈法が解明されると期待されている。
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