2000 Fiscal Year Annual Research Report
5-HT2A受容体共役情報伝達系を介するβ1アドレナリン受容体遺伝子発現抑制機構
Project/Area Number |
12770551
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
大川 義則 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20318934)
|
Keywords | β1アドレナリン受容体遺伝子 / 5-HT2A受容体 / プロテインキナーゼC / CREB |
Research Abstract |
1 β1受容体遺伝子転写開始点から5'側およそ3Kbの領域について、5'端から順次欠失した断片をpGL2 Basicベクターに連結し、一連の「プロモーター活性測定用ベクター」を構築した。 2 構築したベクターを神経芽細胞腫SY5Y細胞に導入し、プロテインキナーゼC(PKC)活性化薬のPMAで処置すると、無処置に比較して、β1受容体遺伝子プロモーター活性は低下した。 3 5'端から順次欠失したベクターを導入し、PMA処置のプロモーター活性へ及ぼす影響を調べると、翻訳開始点から、5'上流-370bpまでの領域が、PMA処置後のβ1受容体遺伝子プロモーター活性の低下に関与していた。 4 翻訳開始点から5'上流-340bpまでの領域では、PMA処置後のプロモーター活性の低下は認められなかった。 従って、PMA処置、すなわち、PKC活性化を介した、β1受容体遺伝子発現抑制には、翻訳開始点から5'上流-370bpから-340bpの、およそ30bpの領域が重要であることがわかった。 5 この領域に結合する可能性のある転写調節因子をデータベースで検索すると、-369bpから-366bpにCAAT boxの逆配列、-352bpから-345bpにCREB結合配列を見出した。 6 CAAT配列あるいはCREB結合配列を変異させ、同様の実験を行うと、変異EB配列では、PMA処置後のプロモーター活性の低下が認められなくなった。 7 従って5HT2A受容体に共役する情報伝達系である、PKC活性化を介する、β1アドレナリン受容体遺伝子発現抑制機構には、CREB結合配列に結合する、転写調節因子CREB、あるいは、CREBの機能を調節する、CREB共役タンパク質の機能変化が関与している可能性が推測できた。 8 CREB結合配列に結合する未同定の転写因子の関与も否定できないため、次年度は、さらに、このCREB結合配列に結合する転写調節因子の同定を進める予定である。
|