2000 Fiscal Year Annual Research Report
EBV LMPに対する細胞傷害性T細胞の誘導とEBV関連疾患の治療への応用
Project/Area Number |
12770558
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中条 達也 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (00303298)
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Keywords | EBV / 樹状細胞 / 細胞傷害性T細胞 / 腫瘍免疫 / LMP / 骨髄移植 / PTLP |
Research Abstract |
1,骨髄移植ドナーの末梢血単核球から付着細胞を採取し、GM-CSFとIL-4の存在下で培養することにより樹状細胞を得た。この細胞について、顕微鏡下での形態、表面抗原について検討したところ、樹状細胞としての形態とCD83、CD1aなどの特徴的な抗原の表出が確認された。さらに、HLAの異なるドナーのリンパ球との混合培養をおこない、抗原提示細胞としての能力を判定した。その結果、末梢血単核球にくらべて約100倍のリンパ球の刺激能があることが確認された。 2,このドナーのHLAに親和性の高いペプチドを検索したところ、LMP2の蛋白の中にHLA-B60に提示されやすい9merのペプチド配列がみられたので、このペプチドを人工的に合成した。培養して得られた樹状細胞をこのペプチドとβ2microglobulinでパルスし、サイトカインを加えてドナーの末梢血単核細胞とともに培養することによって、このLMPペプチドに対するcytotoxic T lymphocyte(CTL)を誘導した。 3,次に、このCTLが、ドナーの末梢血から得られたEBV-lymphoblastoid cell line(LCL)に対して細胞傷害性を示すかどうかを^<51>Cr放出試験を用いて検証した。また、ドナーの末梢血T細胞をphitohemagglutinin(PHA)の存在下で培養し得られたPHAブラストを陰性コントロールの標的細胞とした。LCLに対しては、E/T比10で約40%の細胞傷害活性が得られたが、PHAブラストに対しては細胞傷害活性はみられたかった。このPHAブラストにCTL誘導に用いたLMP2のペプチドをパルスしたところ、LCLに対する活性と同等の細胞傷害がみられた。 4,また、造血幹細胞移植後の患者の末梢血単核球よりDNAを抽出し、EBV特異的primerにてPCRを行い、EBVの有無を検討した。
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