2000 Fiscal Year Annual Research Report
側部中胚葉・血管内皮細胞から血液細胞への分化機構の解析
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12770566
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
平位 秀世 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50315933)
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Keywords | Fetal liver kinase-1(Flk1) / 血管内皮細胞 / 血液細胞 / 発生 |
Research Abstract |
Fetal liver kinase-1(Flk1)はVascular Endothelial Growth Factor(VEGF)のレセプターの一つであり血管内皮細胞および発生初期の側部中胚葉において発現している。1999年にGeorg Breier らによって同定されたFlk1の発現調節領域(promoter/enhancer)はトランスジェニックマウスにおいて発生初期から血管内皮細胞に特異的にレポーター遺伝子を発現させることが報告されている。我々は胚性幹細胞の試験管内分化系を用いて中胚葉から血液細胞・血管内皮細胞の分化における分子機構を明らかにするためにこの発現調節領域を利用できるかどうか検討した。緑色蛍光蛋白質(GFP)や大腸菌LacZ遺伝子を標識として発現する胚性幹細胞株を作成し、試験管内分化の各段階でレポーター遺伝子の発現を解析した。その結果、レポーター遺伝子は中胚葉期のFlk1陽性細胞では発現せず、血管内皮細胞に分化したと考えられるFlk1陽性細胞に限局した発現を認めた。これらレポーター遺伝子陽性細胞は血管内皮細胞にコミットメントした細胞集団と考えられ血液細胞への分化の運命をたどる細胞との区別をする目的に非常に有用であると考えられた(2000年,免疫学会).今後さらにこのFlk1の発現調節領域をもちいて血球あるいは血管内皮細胞へのコミットメントの分子機構解明の糸口をつかむことを期待している.
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