2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄増殖性疾患の発症・進展に関与する線維芽細胞増殖因子並びに新規責任遺伝子の同定
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12770571
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
根津 雅彦 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 研究員 (90322461)
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Keywords | 骨髄増殖性疾患 / 線維芽細胞増殖因子 |
Research Abstract |
平成11年10月より14年3月までの30ヶ月で,真性多血症/本態性血小板血症患者骨髄細胞8検体が得られた.これらよりadaptor付加cDNA libraryを合成した.またPCRプライマーは,FGF 1〜23およびFGFR1〜5までの特異的プライマー各1〜2組ずつおよびFGFのデジェネレーテッドプライマー2組を作製した. 骨髄増殖性疾患の臨床検体が集まるまでの時間を利用して,PCR条件の確認や手技の熟達等の目的を兼ね,造血器腫瘍培養細胞株を対象とした検討を進めた.細胞株は林原研究所藤崎細胞センター,JCB等から分与,約40株を培養,RNAを抽出した.このうちの30株のpolyA付加RNAおよび正常ヒト組織total RNA(クロンテック社)21検体よりENB adaptor付加cDNA libraryを合成・増幅した.以上を用いて総てのFGFファミリーの発現について検討を行ったところ,FGF2以外にも造血器腫瘍の疾患マーカーとなり得る候補が得られた.さらに,一部のFGFは造血系の組織で発現が見られ,造血に深く関与している可能性がある.以上については今後も更に検討を進めていく. また,FGF19は染色体11q13領域でがん遺伝子CyclinD1に極めて近接して位置していることから,t(11;14)(q13;q32)軟座B細胞腫瘍細胞株4株においてその発現をRT-PCR法で検討したが,FGF19の発現は確認されなかった.このことから,FGF19はt(11;14)(q13;q32)転座B細胞腫瘍の発生・増悪には関与していないことが示唆された.
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