2001 Fiscal Year Annual Research Report
ATRA治療時の白血病細胞におけるJak-STAT pathway活性化の意義
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12770572
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
川久保 建 東京医科大学, 医学部, 助手 (20317853)
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Keywords | NB4 / HL60 / Fludarabine / Teromerase / hTERT / UV / TRAP |
Research Abstract |
平成12年度実績報告書にてNB4,HL60細胞株においてフルダラビン(F-AraA)がPML及びPML-RARαの発現を抑制することを述べた。しかしIFNとATRAでの刺激後の相乗抑制効果では有意な結果が得られなかった。F-AraAはDNA合成阻害剤であり、白血病細胞株ではDNA障害作用によりアポトーシスを誘導するとされ,また紫外線(UV)刺激によるDNA損傷時にはテロメラーゼ活性が上昇することが知られている。これらのことからF-AraAによるDNA障害とテロメラーゼ活性上昇の関連が推定されたため平成13年度は以下の検討を追加した。2種の急性骨髄性白血病細胞株(NB4,HL60)をF-AraA刺激しTRAP法にてテロメラーゼ活性の変動を検討した。対照にはUV照射した細胞を用いた。HL60では無刺激にて高いテロメラーゼ活性を認めた。NB4ではF-AraA濃度依存性にテロメラーゼ活性の上昇を認め、さらにRT-PCR法にてhTERT mRNAの発現レベルはF-AraA刺激後に上昇していた。しかしF-AraA刺激後のテロメア長の変化をサザン法を用いて観察したがテロメア長に変化を認めなかった。このことからDNA障害をうけた細胞では転写レベルでテロメラーゼ活性が調節されている可能性が示唆された。 (上記検討結果は2001年9月日本癌学会総会で発表した。)
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