2000 Fiscal Year Annual Research Report
Down症候群児の一過性骨髄異常増殖疾患の発症機序におけるAML1遺伝子の関与
Project/Area Number |
12770606
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
江口 ゆかり 自治医科大学, 医学部, 助手 (00296089)
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Keywords | Down症候群 / AML1遺伝子 / 一過性骨髄異常増殖疾患 |
Research Abstract |
一過性骨髄異常増殖疾患(Transient myeloproliferative disorder:TMD)は、主に、Down症候群の新生児に認められる血液学的異常である。芽球の性質からは多能幹細胞レべルの異常である可能性も示唆されており、TMDはMDSや白血病の転化のモデルとして興味深い。本症の発症機序は未だに不明であり、特定の遺伝子異常などは明らかになっていない。TMDで認められる芽球の染色体は21trisomy以外の異常を伴わない点からも、同症の発症に21番染色体が深く関わっていることが予想される。さらにAML1遺伝子が単離された21q22.3はダウン症主症状領域(DCR領域)として知られる領域でもあり、AML1遺伝子は同症の発症に深く関わっていることが推測される。しかしながら、TMDの病態にAML1が関与しているのではないかという視点での検討は未だ行われておらず、本研究の特色と考えている。本年度は、TMDにおいてAML1が転写因子として結合し、発現が増加すると報告されている造血系に関わるサイトカイン(IL-3、GM-CSF)が、増加しているか否か下記の群でを検討することを目標としていた。 1.(1)芽球が高頻度に認められる時期 (2)芽球消失時期 2.(1)Down症候群でTMDを発症した児 (2)Down症候群でTMDを発症しなかった児 (3)在胎週数・体重を合わせたnormal control しかしながら本年度は、TMDを発症したDown症候群児がおらず、上記の2の(2)・(3)群の検体を採取、IL-3・GM-CSFをELISA法を用いて測定するに留まっている。
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