2000 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学を用いた性腺・配偶子形成におけるTGF-b/Smadシグナルの機能解析
Project/Area Number |
12770618
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 政壽 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (30315080)
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Keywords | Smad2 / アクチビン受容体 / 性腺 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究は、遺伝学的アプローチにより性腺におけるアクチビンIIA受容体-Smad2シグナル伝達機構を個体レベルで明らかにし、Smad2の性腺機能、その発生分化における役割を解明する。 1)性腺におけるSmad2遺伝子発現 b-galactosidase遺伝子の挿入変異を持つSmad2ヘテロ接合体マウスより卵巣を回収、lacZ染色を行ない、Smad2遺伝子の発現を解析した。Smad2は卵胞発育の特異的段階に発現をすることを明らかにした。さらにアポトーシスとの関連を調べ、正常量のSmad2の発現が卵胞成熟に不可欠であることも明らかにした。このことは現在投稿準備中である。 2)Smad2mh2+/-,ActRIIA-/-マウスの作成 性腺の機能および発生過程においてSmad2がActRIIAの下流に位置するならば、ActRIIAホモ接合体マウスでみられる性腺の異常が、Smad2遺伝子1コピーを欠損することで増強されると考えられる。このことをマウス個体レベルで証明するため、Smad2ヘテロActRIIAホモ接合体を作成しその性腺を解析する。現在複合ヘテロ接合体の作成を終了し、ActRIIAホモ接合体の雄と交配中である。 3)Smad2コンディショナルノックアウトマウスの作成 Smad2遺伝子のloxP配列を有するターゲティングベクターの作成を完了し、胚性幹細胞(ES細胞)に導入、196個のES細胞クローンをスクリーニングした。その結果、5個の相同変異体を得ることに成功した。現在、これらES細胞クローンにCRE発現ベクターをさらに導入し、薬剤耐性遺伝子カセットの除去を試みている。最終的に得られた変異ES細胞よりキメラマウスの作成を行ない、Smad2loxpマウスの作成を行なう予定である。性腺特異的CRE発現トランスジェニックとの交配により、性腺特異的にSmad2遺伝子を破壊し、その機能を解析する。
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