2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト動脈硬化病変の発生進展におけるMAP kinaseの役割
Project/Area Number |
12770651
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00322248)
|
Keywords | MAP kinase / 動脈硬化 / 動脈瘤 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒト動脈硬化病変における各種MAP kinase(ERK、JNKおよびp38)の活性とその局在を検討し動脈硬化の発生進展機序におけるMAP kinaseの役割を解明することである。 【標本の採取】1)腹部大動脈瘤の手術時に摘出した瘤壁、2)閉塞性動脈硬化症の手術時に採取した大動脈あるいは腸骨動脈、3)剖検症例の正常腎動脈下腹部大動脈を標本とする。 【In gel kinase assay法によるMAP kinase活性測定】凍結標本から蛋白を抽出した後、MAP kinaseの基質を含有したゲルを用いてSDS-PAGEを行う。泳動後ゲルを[γ-32P]ATP含有バッファー内でリン酸化反応させ、オートラジオグラフィーで検出し定量する。 【Western blot法によるMAP kinase活性測定】それぞれのMAP kinaseのリン酸化型(活性型)特異的抗体を用いてWestern blot法を行ない、活性型MAP kinaseを検出定量する。 【免疫組織染色法によるMAP kinase局在の検討】それぞれのMAP kinaseに特異的な抗体およびそれぞれのMAP kinascのリン酸化型に特異的な抗体を用いて免疫組織染色を行い、組織内の局在を調べる。 【細胞増殖およびアポトーシスの測定】増殖期細胞の指標となるPCNA陽性細胞とアポトーシスの指標となるTUNEL陽性細胞を検出する。 現在までに腹部大動脈瘤12例と剖検症例2例から標本を採取した。そして各実験の予備実験を行い、MAP kinase活性測定の反応条件、Western blot法と免疫組織染色法に用いるそれぞれの抗体の条件等を確立した。正常例の標本数が少ないため本実験のデータはまだ比較検討するに至っていない。今後は正常例の標本数を増やして動脈瘤症例と比較を中心に検討を進める予定である。
|