2001 Fiscal Year Annual Research Report
抗CD80、CD86抗体を用いたドナー特異的免疫寛容の誘導法
Project/Area Number |
12770654
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
本山 健太郎 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (40315198)
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Keywords | 免疫寛容 / 臓器移植 / 抗CD80抗体 / 抗CD86抗体 |
Research Abstract |
本年度は、抗CD80抗体および抗CD86抗体投与によるグラフト生着延長効果を、抗体投与量、抗体投与時期、抗体投与期間などの条件を変化させ、最も効果の得られる至適条件を追求した。さらに移植臓器の種類によって生着延長効果に差があるか、またその機序についても検討した。 その結果、ラット同種心移植においては抗CD80抗体あるいは抗CD86抗体の単独投与では、移植手術から5日間連続投与を行っても生着延長効果はほとんど認められず、両抗体を同時に5日間連続投与することで最も生着延長が得られ(平均生着日数(MST)=24.8±3.2日vs.対照群MST=7.6±0.9日)、セカンドシグナルを確実に制御するには両抗体の同時投与が必要であることが判明した。また投与時期に関しては移植手術後2日目の一回投与が最も効果的であり(MST==14.5±9.2日)、ドナー抗原に暴露された後、この時期にCD80およびCD86分子をブロックすることが、免疫不応答を誘導する上で重要であることが示唆された。 ドナー抗原としての脾細胞を投与することでこの生着延長効果は増強され、ドナー脾細胞(100×10^6)を移植時にレシピエントに投与しておくと、術後2日目の抗体投与で著明な生着延長効果が認められた(平均40.4日)。この効果を、拒絶反応が心移植片より強いとされる腎移植に応用したところ、腎移植レシピエントでは、100日以上の長期生着が得られた。腎移植片は心移植片よりも抗原量が多いとされていることから、最初に投与されるドナー抗原量(移植片あるいは脾細胞)も重要な因子であり、至適量の抗原を投与した後に、抗CD80抗体あるいは抗CD86抗体でセカンドシグナルをブロックすることが、最も効果的にドナー特異的免疫不応答を誘導しうることが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Otomo N.: "Organ transplant specificity of tolerance to skin grafts with heart or kidney grafts plus nondepleting anti-CD4 monoclonal antibody(RIB 5/2)and intravenous donor alloantigen administration"Journal of Surgical Research. 98(1). 59-65 (2001)
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[Publications] Otomo N.: "Intrathymic alloantigen-mediated tolerant, completely MHC-mismatched mouse hearts are specifically rejected by adoptively transferred in vitro-sensitized anti-class IL(d+)specific 2C cells"Transp1antation Proceedings. 33(1-2). 159-160 (2001)
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[Publications] Hirano T.: "The combined use of prostaglandin 12 analogue(OP-2507)and thromboxane A2 synthetase inhibitor(OKY-046)strongly inhibits atherosclerosis of aortic allografts in rats"Surgery. 129(5). 595-605 (2001)
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[Publications] Yamamoto H.: "Effect of FR167653 on pancreatic ischemia-reperfusion injury in dogs"Surgery. 129(3). 309-317 (2001)