2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子銃を用いた生体遺伝子治療の基礎研究:腫瘍誘導リンパ節のCTL効果の増強
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12770671
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
桂川 秀雄 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60224482)
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Keywords | Gene Gun / 遺伝子治療 / CTL / 免疫療法 / 所属リンパ節 / サイトカイン / GM-CSF |
Research Abstract |
(1)Gene Gun処置TDLNの抗腫瘍効果増強のin vitroの解析 Balb/cマウスの鼠径リンパ節周囲に腫瘍を移植し、その5・7・9日後に設定した遺伝子銃の設定条件でGM-CSF遺伝子を導入した。対照として遺伝子プラスミドを含まない金粒子単体及び遺伝子銃照射を行わないTDLNも採取した。TDLNの細胞構成をその表面抗原の解析から行ったところ、Tリンパ球においては変化を認めなかったが、樹状細胞と思われる細胞数が非照射の細胞では1%であるのに対して、金粒子単独照射のTDLNに3%、GM-CSF遺伝子導入TDLNでは9%と著しい増加を認めた。また刺激増殖後の活性化TDLNの腫瘍に対する細胞障害活性試験では、有意差をもってGM-CSF遺伝子導入後TDLNに腫瘍特異的に細胞障害活性を認めた。 (2)各種TDLNを用いた抗腫瘍効果のin vivoの解析 1x10^6の乳癌細胞株をマウスの両側鼠径部周囲に皮下移植し10日後のTDLNを採取した。採取したTDLNを抗CD3抗体及びIL-2で刺激増殖させ活性化したTDLNを作製した。健常マウスに3x10^5の腫瘍細胞を尾静脈より注入し肺転移を起こさ、3日後の微小肺転移状態に活性化したTDLNを養子免疫し、2週間後の肺表面の転移個数を調べた。4x10^7のTDLNを移入した郡ではTDLNを移入しない対象と優位な肺転移の個数の差を認めた。そこで通常のTDLN及びGM-CSF遺伝子導入郡、金粒子のみ導入郡の活性化TDLNの抗腫瘍を微小肺転移モデルで検討した。4x10^7の活性化TDLNの移入において、コントロール郡に比べ、金粒子のみの導入郡さらにGM-CSF遺伝子導入郡においてそれぞれ、優位さをもって肺転移が抑制された。以上より、移植腫瘍にGM-CSF遺伝子銃を使用することにより腫瘍内の樹状細胞浸潤が増加し、これがTDLN中の樹状細胞数ならびに前効果T細胞数の増加を促す事が示唆された。
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