2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770679
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
須藤 幸一 山形大学, 医学部, 助手 (80312750)
|
Keywords | 胆汁 / ビルビリン亜分画 / エネルギー / エンドトキシン / 胆汁中ビルビリン亜分画 |
Research Abstract |
【対象,方法】 (実験1)ラットを用い単開腹(Sham)又は33%肝切除(Hx)を施行。術後1〜3病日(POD)にLipopolysaccharide(LPS)又は生食水(NS)を腹腔内投与,Control(Sham-NS),LPS(Sham-LPS),Hx(Hx-NS),Hx-LPSの4群を作製した。1〜5PODに胆汁中ビリルビン亜分画(BDG)を測定した。 (実験2)実験1のモデルで採取し凍結保存しておいた検体を用いて4PODにおける肝組織中UDP-glucuronic acid(UDP-GA)量,UDP-glucose量,UDP-glucose dehydrogenase(UDP-GDH)活性,細胞質free-NAD^+/NADH比,NAD^+量とTotal adenine nucleotides(TAN)量を測定した。 【結果】 (実験1)胆汁中ビリルビン亜分画は4PODにおいて4群間に有意な組成変化が認められた。 (実験2)UDP-GA量はControl群に比しLPS群,Hx-LPS群で低下した。UDP-glucose量,UDP-GDH活性と細胞質free-NAD^+/NADH比は差がなく,NAD^+量とTAN量はHx-LPS群で低下した。BDGとUDP-GA,UDP-GAとNAD^+,NAD^+とTANの間には有意な正の相関を認めた。 【結論】 胆汁中ビリルビン亜分画の組成変化はNAD^+量の低下によるグルクロン酸抱合の基質であるUDP-GA量の低下により出現している可能性が示唆された。したがって,肝切除術後の胆汁中ビルビリン亜分画の変動は,間接的に残存肝のエネルギー状態を表していると考えられた。
|