2000 Fiscal Year Annual Research Report
十二指腸液の逆流に注目した胃切除後の逆流性食道炎の病態の検討
Project/Area Number |
12770694
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
片田 夏也 北里大学, 医学部, 助手 (30233745)
|
Keywords | 逆流性食道炎 / 胃切除後 / 十二指腸液 / 食道ビリテック検査 |
Research Abstract |
平成12年度は以下の研究を遂行した。平成12年10月から12月の間に、北里大学東病院消化器外科外来を受診し、胃癌の診断にて幽門側胃切除、Billroth-I法再建術が施行された術後の患者に逆流症状の有無とその頻度に関するアンケート調査を実施した。現在その調査結果を解析中である。さらに、流性食道炎の症状を有する以外には術後の全身状態が良好で、同意の得られた患者約5名に以下の検査を施行した。 1.食道、胃内視鏡検査:逆流性食道炎による変化の有無(Los Angels分類による重症度分類) 2.食道、胃バリウム造影検査:食道裂孔ヘルニアの程度、及び残胃の大きさ(長軸x短軸)の評価 3.食道内圧検査:下部食道括約筋の圧測定、及び食道体部の運動機能の評価 4.24時間食道pHモニタリング検査、及び食道ビリテック検査にて食道内の胆汁の逆流の程度及びpHを計測し、専用の解析ソフトにてデータの解析を行った。 現在までのデータの集積にて、食道内視鏡検査にて重症の逆流性食道炎所見を有する患者は以下の所見を示す傾向が強かった。 1.食道、胃バリウム造影検査にて食道裂孔ヘルニアを認め、残胃は小さい。 2.食道内圧検査にて下部食道括約筋の圧は低下しており、食道体部の運動機能障害を認める。 3.24時間食道pHモニタリング検査では、食道内に胃酸が逆流することは少なく、むしろ食道ビリテック検査にて食道内に十二指腸液の高度な逆流を認めた。 平成13年3月までにさらに、5名の対象患者に上記検査を施行し、データを追加蓄積させた後に結果の解析を行う予定である。
|