2000 Fiscal Year Annual Research Report
色調数量化による虚血・再潅流障害後の小腸のバイアビリティ判定の指標を作成する
Project/Area Number |
12770711
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
秦 洋文 久留米大学, 医学部, 助手 (80268903)
|
Keywords | 創傷治癒 / 虚血・再灌流 / 組織血流 / 色調定量化 |
Research Abstract |
本研究における研究実績の概要は以下に述べるとおりである。 雑種成犬を8時間絶食後、全身麻酔下に開腹し、1頭につき3箇所の部分的小腸虚血・再灌流部を作成した。虚血時間の長さにより2時間虚血群、3時間虚血群、4時間虚血群を作成した。第一虚血部の支配静脈に経時的採血用のカテーテルを挿入し、再潅流前、再潅流30分、60分、90分、120分後に採血し、血清を凍結保存し、現在、生化学的検討を行なっており、データを蓄積中である。 第2虚血部は、手術野の照度を50000ルクスと一定として、ビデオ撮影を行い、直ちにコンピュータ解析を行い、赤色、青色、緑色の色調を定量化した。これと、レーザー血流計を用いた実測値との相関を検討した。その結果、 組織血流=0.16×赤色+0.052×緑色+0.09×青色-7.838 R=0.934 の強い相関があることが判明した。この結果は、第36回日本腹部救急医学会総会、第101回日本外科学会総会にて発表する。 更に第1虚血部、第2虚血部は、切除・吻合を行い、吻合部の粘膜再生の程度を組織学的に検討した。その結果、吻合部の粘膜の再生は、4時間虚血群が2時間虚血群に比し、有意に不良であった。この結果は第101回日本外科学会総会にて発表する。 また。別のモデルで術後3日目にマイクロソフェアーを注入し、粘膜・漿膜面の血流比を測定すべく、現在データを蓄積している。また、これとは別に虚血2時間群と4時間群で吻合後3日目の吻合部の血管再生を検討すべく、吻合後3日目の正常吻合部、2時間虚血部吻合部、4時間虚血吻合部を摘出後、口側と肛門側の腸間膜動脈よりマイクロソフェアーを注入し、データを蓄積している。
|