2001 Fiscal Year Annual Research Report
体外循環におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチドの影響の検討
Project/Area Number |
12770717
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今村 道明 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (90312363)
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Keywords | 心臓外科 / 小児心臓外科 / 人工心肺 / ヒスタミン / ブラジキン / カルシトニン遺伝子関連ペプチド |
Research Abstract |
臨床例ですでに13名の患者から、血液、腹水、限外ろ過液の採取が終了している。具体的には短時間で手術の終了する心房中隔欠損症や心室中隔欠損症と右室バイパス術であるフォンタン手術の2群に分けておのおの6名以上の患者から周術期のパラメーター採取(血行動態のパラメーターや人工心肺運転のパラメーターや患者の大腿周囲計測)が行われた。フォンタン手術を受けた患者で術後に大腿の周囲計が低下したが。血清中のカルシトニン遺伝子関連ペプチドの測定では2群間で差を認めなかった。成犬(8から12kg)での実験では、血液希釈を行った症例と血液希釈を行わずに人工心肺を運転した症例で血液、腹水、限外ろか液の採取と血液、生化学の分析、肺の浮腫の程度の評価を行った。当初は灌流量と灌流時間に変化を加えて検討する予定であったが、血液希釈の影響の検討をするために、血液希釈群(ヘマトクリット20%以下)と血液を希釈しない群(ヘマトクリット40%以上)に分けて検討を加えた。2群において赤血球数、白血球数、血小板数、凝固系に有意差は認めなかったが、血中乳酸値で血液希釈群で9倍の上昇を認めた。また、血圧でも血液希釈群で有意に血圧が低かった。カルシトニン遺伝子関連ペプチドの測定では血液希釈群で軽度の低下を認めるのみであった。ブラジキニン、ヒスタミンでも両群間で有意な変化の経過を認めた。実験後に肺を生検し、湿重量と乾重畳を測定したが、血液希釈群で有意な湿重量の増加を認めた。
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