2001 Fiscal Year Annual Research Report
多発性肺腫瘍に対する遺伝子治療-リポソーム全身投与によるFHIT遺伝子導入
Project/Area Number |
12770729
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐伯 知行 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50256385)
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Keywords | 遺伝子治療 / FHIT / カチオニックリポソーム / 肺癌 |
Research Abstract |
【目的】リポソームベクター(DOTAP:Cholesterol以下D:C)を用いた経静脈的FHIT遺伝子導入による肺腫瘍形成予防効果が認められた。今までの実験では腫瘍細胞接種後3日後より治療を開始しており細胞の生着、増殖予防効果を示したものであった。本実験では腫瘍接種後4週間が経過し成熟した肺腫瘍に対しての治療効果につき検討を行った。 【実験方法】ヌードマウスにヒト肺癌細胞株A549を100万個、静脈内に投与し多発肺癌モデルを作成した。腫瘍接種後4週間後、腫瘍径が2mmを越えた時点で全身投与による5日間連続の治療を開始した。実験群は、A群:PBS投与群、B群:FHITプラスミド投与群、C群:D:C-CAT遺伝子複合体投与群、D群:D:C-FHIT複合体投与群であった。投与プラスミドはDNA量として50μgとし、投与量を100μlと調整した。治療終了後2週間目に肺を摘出、肺表面の腫瘍数、アポトーシスの発現(TUNEL染色)、FHIT蛋白発現(免疫染色)を調べた。 【結果および考察】D群において他コントロール群に比較して肺腫瘍径の縮小、数の減少傾向が見られたが統計的に有意差は得られなかった。FHIT蛋白の腫瘍内発現は免疫染色により確認された。アポトーシスの同定は困難であった。今後有意差をもって治療効果を判定するためには投与のタイミング、投与量および判定時期の検討が必要である。またアポトーシス同定には腫瘍採取時期に問題点があると考えられ改良すべき点と考えた。
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