2000 Fiscal Year Annual Research Report
側頭葉てんかんに対する海馬transectionの効果に関する実験的研究
Project/Area Number |
12770758
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
今村 真一 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60315439)
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Keywords | kainic acid / experimental epilepsy model / hippocampus / temporal lobe epilepsy / transection / rat |
Research Abstract |
難治性側頭葉てんかんの新しい外科治療法として,海馬の機能を温存しつつ,かつ,十分な発作の抑制を期待できる海馬transectionの効果をカイニン酸誘発ラット辺縁系発作モデルを用いて研究中である。 1.海馬は背側と腹側で異なる生理学的特徴を示す可能性が示唆されていたが,私共は背側と腹側に別々にカイニン酸を微量注入して誘発した発作を比較することで,各々の特徴を明確にした。 そして,背側海馬と腹側海馬の相互作用が,辺縁系発作の進展に影響している可能性があると推察した. 2.上記結果に伴い,背側海馬と腹側海馬の間の線維連絡を切離したラットの扁桃核にカイニン酸を微量注入して誘発した発作を,非切離群での発作と比較することで,発作の背側海馬と皮質感覚運動野への波及が遮断され,発作全体も減弱することを明らかにした。すなわち,背側海馬と腹側海馬の相互作用が,辺縁系発作の進展を促進していることが示唆され,これを遮断することで,発作を抑制できる可能性があると思われた. 3.以上の結果を元にして,臨床応用への可能性について,更に検討中である。
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