2001 Fiscal Year Annual Research Report
多形性膠芽腫細胞におけるMMAC1/PTENの細胞内シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
12770768
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
佐野 哲郎 東京医科大学, 医学部, 助手 (20322464)
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Keywords | 多形性膠芽腫 / 癌抑制遺伝子 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
癌抑制遺伝子MMAC1/PTENとprotein tyrosine kinaseに関与すると考えられる各種細胞内シグナル伝達因子との関係を明らかにするため、ウエスタンブロッティングを中心とした細胞内シグナル伝達経路の推定を行なうことを目標としていた。しかし平成12年度の実績報告書で報告させて頂いたように、当初譲渡を受ける予定であったヒト多形性膠芽腫細胞株U-251にMMAC1/PTENを導入したU-251-MMACが入手困難となったため、課題研究の進行が大幅に遅延していた。 そこで新たにヒト多形性膠芽腫細胞株U-251を入手し、独自にU-251-MMACを作成した。MMAC1/PTEN全長を含むplasmid vectorをリポフェクチン法によってU-251へ導入したU-251-MMACを6クローン得ることが出来た。これをSanta-Cruz社製PTEN(N-19)抗体を用いてウエスタンブロッティング法とchamber slideによる免疫染色法でcharacterizationを行った。しかしウエスタンブロッティング法ではバックグランドが高く、U251-MMACとU251-Mockとの差異が明瞭でなかった。免疫染色ではいずれのクローンでも細胞膜近傍が染色されるが、核は染色されなかった。これは、おもに核が染色されるという以前我々が報告した(Cancer Research,59(8),1820-1824,1999)結果と異なるものであった。そこでNovocastra社製PTEN(NCL-PTEN)抗体およびCASCADE BioScience社製PTEN(ABP-2001)抗体を用い、ウエスタンブロッティング法を行ったが、同様にバックグランドが高くU251-Mockとの差異が明瞭でなかった。今後更なる検討によりMMAC1/PTENと各種細胞内シグナル伝達因子との関係を明らかにしてゆきたい。
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