2001 Fiscal Year Annual Research Report
HLA拘束性glioma特異的キラーT細胞株の樹立と癌抗原の解析
Project/Area Number |
12770773
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
倉本 晃一 久留米大学, 医学部, 助手 (30289459)
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Keywords | CTL / 抗原ペプチド / ARF4L / GALT3 / 特異的免疫療法 |
Research Abstract |
大腸癌浸潤リンパ球由来HLA-A2拘束性CTLにより認識される癌抗原ペプチドをcordする遺伝子の同定とその抗原ペプチドの解析を行った。大腸癌患者の腫瘍浸潤リンパ球よりHLA-A2拘束性CTL株を樹立し、それらによって認識される癌抗原ペプチドをcordする遺伝子および抗原ペプチドをMalignant gliomaの細胞株(KNS60)から同定することを試みた。HLA-AO201遺伝子とのco-transfectionでOKA-CTLによって認識される抗原をcordする2292bpと1329bpの2つの遺伝子をMalignant glioma細胞株のcDNA libraryよりクローニングした。BLAST searchを用いて相同性検索を行ったところ、それぞれ1,3-N-acetylgalactosaminyltransferase(3GalNAc-T1:3067bp)という2つの既知の遺伝子との間にホモロジーがみられた。northern blottingによる解析を行ったところ、両者ともmRNAレベルでは特に悪性脳腫瘍の組織でより強い発現が認められた。また患者末梢血を用いて合成ペプチドに対するCTL誘導能をみたところ4種類のペプチドで反応がみられ、dose dependencyも確認された。今回同定された2つの遺伝子はGALT3,ARF4Lという既知の遺伝子であり、GALT3はヒト赤血球膜の主要糖脂質であり細胞接着分子としての一面をもつglobosideのcDNAから分離されている。またARF4LはER、ゴルジ体間の輸送に関与し、全脳一過性虚血時に海馬においてその発現がみられると言われている。今回、in vitroで患者末梢血から特異的CTLを誘導できることが確認されたことから、抗原ペプチドとなる可能性、またMalignant gliomaに対する新たな特異的免疫療法の可能性か示唆されることとなった。
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