2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770792
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
日塔 寛昇 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (50315777)
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Keywords | 骨肉腫 / 骨芽細胞 / 分化誘導 |
Research Abstract |
マウス骨肉腫由来細胞株(POS-1)は移植部位、転移巣ともに類骨形成を特徴とするいわゆる骨肉腫としての分化を示さず、紡錘形細胞肉腫の組織像を示した。今回、この骨肉腫由来細胞肉腫が生理的条件下で骨芽細胞分化を示すか調査した。また抗がん剤が奏効した場合、骨肉腫は骨硬化を起こすことが多い。抗がん剤と併用した場合の抗腫瘍効果及び骨芽細胞様分化に与える影響についても調査した。(方法)実験1:まず骨芽細胞分化に至適な条件を設定する為に実験を施行した後、10%ウシ胎児血清、50mg/mlアスコルビン酸ナトリウム含有α-minimum essential medium(MEM)に様々な濃度(0,10^<-8>,10^<-6>)のデキサメサゾン(Dex)を添付した培地をつくった。POS-1細胞を8日間培養した。コロニー数、骨芽細胞様分化、脂肪細胞分化を観察した。実験2:同様の培地で、POS-1細胞を1)2.5mg/l及び25mg/lシスプラチン(CDDP)混入、10mg/l及び,100mg/lメソトレキセート(MTX)混入した条件48時間培養した後、抗がん剤なしで6日間培養し、増殖、分化を観察した。(結果)実験1:コロニー数はDex濃度が10^<-8>Mのときに多かった。細胞形態はDex(-)ではやはり紡錘状だったが10^<-8>M Dexでは多角形を呈し、骨芽細胞分化が示唆された。10^<-6>M Dexでは細胞質の乏しい円形に近い形態を呈した。実験2:CDDPは著効したがMTXでは抗腫瘍効果は軽度で、細胞形態は実験1と同様であった。骨肉腫としての分化能を失ったようにみえる細胞も培養条件を設定すると骨芽細胞様分化を示すことが示唆された。また抗がん剤MTXによる修飾が加わっても同様の変化が起こることが示唆された。アルカリフォスファターゼ染色を行ってさらに骨芽細胞様分化を確認する予定である。
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