2000 Fiscal Year Annual Research Report
Tissue Engineeringを用いた神経補填材料の作製に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12770794
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高松 聖仁 大阪市立大学, 医学部, 助手 (30295688)
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Keywords | Nerve Regeneration / Peripheral Nerve / Tissue Engineering |
Research Abstract |
われわれは末梢神経再生に深く関与しているといわれているシュワン細胞に注目し、シュヮン細胞によってその内面をコーティングされた生体吸収材料のチュープによる架橋が、末梢神経のよりよい機能回復をもたらすと考えた。その第一段階として、生体吸収材料とシュワン細胞の接着性について検討した。 (方法)生体吸収材料は、加水分解性の高いε-カプロラクトン(以下CL)と加水分解性の低い乳酸(以下PLLA)の共重合体の配分比を変え、さらにシュワン細胞の接着性を高めるために2種類のコラーゲンを用いてその表面にコーティングを行い以下の5種類を作成した。(A)CL:PLLA(50:50)コラーゲンコーティング(-)、(B)CL:PLLA(75:25)コラーゲンコーティング(-)、(C)CL:PLLA(50:50)コラーゲンtypeIコーティング(+)、(D)CL:PLLA(50:50)コラーゲンtypeIVコーティング(+)、(E)CL:PLLA(50:50)コラーゲンtypeI+IVコーティング(+)。以上の5種類の生体吸収性材料をディスク状に作成しエタノール処理した後、ラットの後根神経節から採取し培養したシュワン細胞を播種し、その接着性を走査電子顕微鏡および組織学的に検討した。なおシュワン細胞の同定にはS-100抗体による免疫染色を行った。 (結果)(A)〜(E)すべてのディスク表面に一層性にシュワン細胞の接着が認められた。また、一部のディスクにおいてはディスク内部へのシュワン細胞の侵入が認められた。 (考察)今回の検討によって、シュワン細胞でコーティングされたCL-PLLA共重合体による生体吸収性チューブの作成が可能と考えられた。しかしながら、今後このチューブを用いて神経欠損部を架橋するには、CLとPLLAの配合比を変えてin vivoでの経時的な生体吸収性チューブの強度などさらなる検討が必要と考えている。
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