2000 Fiscal Year Annual Research Report
肝虚血再灌流傷害におけるアポトーシスの発生と活性酸素消去剤によるその防止
Project/Area Number |
12770817
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 久成 京都大学, 医学研究科, 助手 (20314221)
|
Keywords | ラット / 肝細胞 / リポポリ多糖類 / 細胞傷害 / 一酸化窒素 / 誘導型一酸化窒素含成酵素 / 活性酸素消去剤 / PBN |
Research Abstract |
本年度は肝細胞を用いて、リポポリ多糖類(LPS)により細胞傷害を誘発し、活性酸素消去剤の傷害抑制効果について検討した。 (方法) 1.ラット肝臓をコラゲナーゼ処理して肝細胞を抽出し、インスリンを加えてインキュベータ内で2時間培養した。 2.2時間後、肝細胞傷害を誘発するため、LPS(100μg/ml)を投与した。また薬物投与群では活性酸素消去剤であるPBNを同時に投与した。その後、インキュベータ内で2時間培養した。 3.24時間の培養前後に培養液を採取して、液中の肝逸脱酵素(GOT/GPT)ならびに一酸化窒素(NO)の含量を測定するとともに、24時間の培養後にトリプシナイズにより細胞を回収し誘導型NO合成酵素(iNOS)の発現をみた。NOの測定は、NOの代謝産物であるNO_2ならびにNO_3をグリース反応を用いて測定することにより行った。またiNOSの発現はイムノブロッティング法にて調べた。 (結果) 1.LPS投与によりGOT/GPTの増加が見られたが、50μMから1mMのPBNはこの増加を有意に抑制した。 2.NO2ならびにNO3の産生も増加したが、PBNは濃度依存性に抑制した。 3.LPS投与群の肝細胞において、iNOSの顕著な発現がみられたが、PBNはこれを抑制した。 以上より、PBNはiNOSの発現を抑制することにより、NOの産生を抑制し、LPSによる肝細胞傷害を緩和すると考えられた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Kiichi Hirota,Hajime Nakamura,Toshiyuki Arai,Hisanari Ishii,Jie Bai,Tatsuya Ito,Kazuhiko Fukuda,Junji Yodoi: "Geranylgeranylacetone enhances expression of thioredoxin and suppresses ethanol-induced cytotoxicity in cultured hepatocytes"Biochemical and Biophysical Research Communications. 275. 825-830 (2000)