2000 Fiscal Year Annual Research Report
コントラスト心エコー法を用いた冠動脈再建術中の心微小循環の新しい評価法の確立
Project/Area Number |
12770825
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋吉 浩三郎 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70322287)
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Keywords | 経食道心エコー / 経静脈コントラスト心エコー |
Research Abstract |
本研究の目的は、2000年度から新しく使用が可能となった経静脈コントラスト剤を使用して、周術期、特に冠動脈バイパス術中から術後早期の冠循環、更には心微小循環の正確な評価を行おうとするものであった。しかし、現段階では、経静脈コントラスト剤は、主に経胸壁エコーでの評価に使用されている。経静脈コントラスト剤の特性に見合った経食道エコープローブの開発が予定より遅れ、残念ながら、本年度中には経静脈コントラスト剤を使用した心微小循環の評価を検討することが不可能となった。しかしながら、この問題に対しては現在、経静脈コントラスト剤の特性に見合った経食道エコープローブの開発が進められており、次年度には使用可能となる予定である。新たな経食道エコープローブが使用可能となり次第、経静脈コントラスト剤を用いた評価を開始する予定である。 今年度は、心筋組織性状の評価法として以前より注目されている、超音波心筋組織性状診断法を用い、これにより経静脈コントラスト剤を用いずに、冠動脈バイパス術中から術後早期の心筋潅流状態を評価する試みを開始した。現在、臨床データをほぼ集め終わった段階であり、データの評価を行っている。来年度、予定通りに経静脈コントラスト剤を用いた評価を行えば、両者の比較が可能となり、経静脈コントラスト剤の使用の有用性がより明確となるであろう。 また、今年度は、心筋の微小循環のみならず、全身の微小循環の評価法についての臨床データの収集も行った。開心術中、術後の周術期には過大なストレスに対する反応として、全身の微小循環の悪化が認められることが分かっている。これについても、来年度、経静脈コントラスト剤の使用により、心微小循環の変化が明らかになれば、全身の微小循環の変化と合わせて報告することができると期待される。
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