2001 Fiscal Year Annual Research Report
急性モルヒネ中毒による意識混濁と線条体オピオイド受容体との関係
Project/Area Number |
12770838
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 健雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (50306940)
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Keywords | 大脳基底核 / 線条体 / 受容体 / 可塑性 / シナプス / 興奮性 / 抑制性 / パッチクランプ |
Research Abstract |
本研究は意識混濁の機序の解明のために線条体の役割に注目した。その理由は線条体が大脳皮質の全ての領野から感覚、運動その他の行動に関する全ての情報を受けて、その処理の結果を大脳基底核の諸核から、視床、そしてまた大脳皮質へと伝えるループを形成していること、そのループの機能の理解にμとκあるいはenkephalinとサプスタンスPとの拮抗関係が重要な働きをしていると考えられるからである。その過程で本年度は以下の2点の事実が明らかとなった。 (1)線条体cholinergic interneuronのシナプス可塑性。 線条体cholinergic neuronにおいてグルタミン酸シナプスにおけるEPSPのLTPが起こると同時に、テタヌス刺激後線条体の他のGABAニューロンを介した抑制性シナプス後電位(IPSP)がcholinergic interneuronに入るようになることが明らかとなった。すなわち、disynaptic IPSPのfailure rateが減少し、presynapticなLTPを惹起すことを明らかにした。EPSPのLTPの機序については、カルシウムチャネルからのカルシウム流入とドーパミンD5受容体の活性化が必要であることがわかった。この二重に起こる可塑性がサルで見られた条件付け感覚応答の機序ではないかと考えられた。 (2)線条体GABA/parvalbumin interneuronにおけるシナプス可塑性とmedium spiny neuron。このニューロンは非常に速い発火を示し、この細胞同士が互いにgap junctionにより電気的に結合していることから、線条体の情報処理上極めて重要な細胞であると考えられている。我々は、この細胞が白質のテタヌス刺激によりEPSPのLTPを示すことを見出した。しかも、medium spiny neuronとの同時記録により常にこのニューロンからmedium spiny neuron方向に脱分極性のIPSPを与えること、したがってテタヌス刺激により見掛け上のLTPをmedium spiny neuronに惹起すことを見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suzuki, T., Miura, M., Nishimura, K., Aosaki, T.: "Dopamine-dependent synaptic plasticity in the striatal cholinergic interneurons"Journal of Neuroscience. 21. 6492-6501 (2001)
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[Publications] 青崎敏彦, 三浦正巳, 鈴木健雄, 辛龍文: "線条体におけるシナプス可塑性研究の現状"脳の科学. 23巻12号. 1055-1059 (2001)