2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳幹部を通る痛みの経路は中枢のどの部位に投射するのか
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12770841
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
長田 知也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50266805)
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Keywords | 巨大細胞性網様体核 / 内側視床正中中心核 / orphaninFQ / 痛み / 機械的侵害刺激 / c-Fos |
Research Abstract |
我々はウレタン麻酔下にラットの尾部に機械的侵害刺激を加え巨大細胞性網様体核(Gi)で神経細胞の発火を観察し、これが髄腔内投与したorphaninFQによって抑制されることを報告してきた。 今回我々はウレタン麻酔下にラットの尾部に機械的侵害刺激を加えGiで神経細胞の発火を観察し、orphaninFQ(100ng)をGiに対し局所投与し神経細胞の発火を検索したところ初期抑制後期興奮の反応を観察した。(Anesthesiology投稿中。) さらに、Giから内側視床正中中心核(CM)への機能的投射を確認するためにウレタン麻酔下にラットのGiを電気刺激し、CMにおけるFos陽性細胞の発現を観察したところコントロールに比較し有意に陽性細胞の増加をみとめた。(コントロール,n=5,細胞数:201.8±181.35(m±SD)CM,n=6細胞数:558.4±97.22(m±SD) また我々はウレタン麻酔下にラットの尾部に機械的侵害刺激を加えCMで誘発される反応を観察し、髄腔内投与orphaninFQがどのような影響をあたえるかについて検索中である。さらに電気生理学的にGi活動がCMにあたえる影響を実験中である。GiからCMへの投射についてさらなる検索を行ってゆく予定である。 今後は埋め込み電極や行動実験を用いて急性実験だけではなく慢性実験も行い、脳幹部を通る痛みの経路がどのように中枢に投射していくのかについて検索する。(2001年度日本麻酔学会発表予定)
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