2000 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄における痛覚伝導に関する一酸化窒素(NO)の作用機構の解明
Project/Area Number |
12770843
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
酒井 雅人 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30319545)
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Keywords | 脊髄 / 一酸化窒素(NO) / NMDA型グルタミン酸受容体 / プロスタグランディン / NG108-15細胞 / ケミルミネッセンス法 / アロディニア |
Research Abstract |
申請者らはプロスタグランジン(PG)E_2とPGF_2αをマウス髄腔内に投与するとアロディニア、すなわち触覚刺激が痛みの反応を引き起こすこと、PGによるアロディニアはグルタミン酸-一酸化窒素(NO)が伝達物質として重要な役割を果たしていることを報告した。さらに、申請者は、PGによるアロディニアに対するNOの関与を明らかにするため、ケミルミネッセンス法にて、ラット脊髄スライスからのNOの遊離を測定し、PGE_2によるアロディニアが、PGE受容体のEP_1サブタイプ、NMDA受容体、NOを介して発現している可能性を示した。 平成12年度は、遺伝子改変型マウス(ノックアウトマウス)の脊髄スライスや神経細胞モデルであるNG108-15細胞を用いてNOの遊離の変化を観察することで、脊髄における痛みの発現機構の一端を解明することを研究目的とした。 NG108-15細胞にPGE_2またはPGF_2αで刺激するとNOが遊離されること、PGE_2によるNOの遊離はPGE受容体のEP_1サブタイプが関与していること、PGによるNOの遊離はNMDA受容体拮抗薬およびNO合成酵素阻害薬で抑制されることを明らかにした。
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