2000 Fiscal Year Annual Research Report
アダプター蛋白Cblによる単球・マクロファージの機能制御の解析
Project/Area Number |
12770845
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
佐登 宣仁 関西医科大学, 医学部, 助手 (20278625)
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Keywords | 貪食 / マクロファージ / Fc受容体 / Cbl / アダプター蛋白 |
Research Abstract |
1)Cbl変異体発現P388D1マクロファージ細胞株の樹立 以前に樹立したCbl野生型および70Z型発現P388D1細胞株に加えて、Cblおよび70Z型Cblのリン酸化チロシン結合活性を欠いた点変異体(Cbl-G306Eおよび70Z-G306E)を発現したP388D1細胞株を樹立した。Fcγ受容体依存性貪食の変化について現在検討中である。 2)ヒトFcγ受容体type Iα鎖発現P388D1細胞の樹立 P388D1細胞は抑制性Fc受容体であるtype IIBをも発現していることから、Fc部位を用いた刺激では十分な反応が認められない可能性がある。このため、ヒトFcγ受容体type Iα鎖を過剰発現したP388D1細胞を樹立した。この細胞はヒトFcγ受容体に対する特異抗体のF(ab'2)フラグメントを用いた貪食刺激に反応した。また、ヒトFcγ受容体type Iα鎖過剰発現P388D1細胞は、Fc部位を用いた貪食刺激に対して野生型細胞の4倍の貪食を示した。このことから、P388D1細胞では貪食促進性Fc受容体と抑制性受容体の数的比率により貪食が抑えられており、貪食に関与する他の分子には機能的予備能があることが示唆された。また、ヒトFcγ受容体type Iα鎖発現細胞を用いることにより必ずしも特異抗体のF(ab'2)フラグメントを用いずともFc部位を用いた刺激により機能解析が可能であることが考えられた。 3)CblおよびCbl変異体発現P388D1マクロファージ細胞株のサイトカイン産生能の比較 Cblを発現したP388D1細胞あるいはCblおよびヒトFc受容体type Iα鎖を共発現したP388D1細胞を用い、Fcγ受容体刺激あるいはLPS刺激によるによるサイトカイン産生に対するCblの影響を検討するための予備実験を行い、サイトカイン定量法を確認した。
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