2000 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシンのラット性機能に及ぼす毒性とテストステロン投与の予防効果に関する研究
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12770871
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
桑原 朋広 熊本大学, 医学部, 助手 (90305003)
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Keywords | dioxin / AhR / 催奇形性 / 泌尿生殖器 / 家兎胎児 |
Research Abstract |
胎生期におけるdioxinの曝露は催奇形性、発癌性を誘発することが明らかになっており、特に泌尿生殖器領域においては性機能低下、尿道下裂、精巣腫瘍の原因となりうることが示唆されてぃる。aryl hydrocarbon recepter(AhR)はdioxinをリガンドとする核内レセプター型の転写因子であり、Cytochrome P450やグルタチオンS転移酵素などの標的遺伝子の発現を介してdioxinによる、催奇形性、発癌性に関与していることが考えられている。最近、AhRノックアウトマウスでは2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCCD)曝露による催奇形性が認められないことが報告され、AhRはdioxinの催奇形性の誘導において必須であることが明らかとなったが、胎生期における泌尿生殖器でのAhRの発現パターンやその催奇形性における詳細な機序について今だ不明な点が多い。そこで、dioxin/AhRの泌尿生殖器における催奇形性誘導の意義について研究するため、まず家兎胎児の各発生段階での泌尿生殖器におけるAhRおよびAhR nuclear translocator(ARNT)の発現量と、組織レベルでの局在について検討することにした。AhRおよびARNT発現量は半定量的RT-PCR法およびwestern blotting法によって転写および蛋白レベルで評価し、さらに同分子の局在については免疫組織化学染色法によって評価する予定である。現在はHela細胞などの培養細胞株を用いてこれらのアッセイの詳細な至適条件について検討中である。
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