2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770912
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉垣 千恵 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314333)
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Keywords | STK11 / adenoma malignum / laser capture microdissection / p53 / k-ras |
Research Abstract |
子宮頸部悪性腺腫と診断され手術を施行した22症例を対象にパラフィン包埋病理標本より、実体顕微鏡下もしくはLaser capture microdissectionを用いて腺病変部分のみを採取し、DNAを採取した。うち2症例については腺腫部分が標本中に占める割合が少なく、充分なDNA量を得ることが出来なかったが、20症例の腺腫部分のDNAを用い、STK11遺伝子のExon1-9における遺伝子変異をPCR-SSCP法にてスクリーニングし、9症例に変異バンドを検出した。うち5症例についてさらに変異遺伝子のクローニングを行い、7つの変異遺伝子を同定した。同定された変異はPeutz-Jeghers症候群での報告が多いnonsense mutationは無く、missense mutationであった。また、STK遺伝子変異を有した症例は病理組織学診断上、子宮頸部悪性腺腫の典型例にみられた。変異はexon1,4,5,8に同定され、他の変異バンドを検出した症例についても解析中である。現在同一症例中2つのexonについて変異バンドを有したものについては、DNAを再度パラフィン標本より採取して確認実験を実施している。Peutz-Jeghers症候群におけるSTK遺伝子変異が多いのではないかとの報告のあるexon6については、現時点での検索では変異は見出されていない。 婦人科疾患での異常の報告があるp53、K-rasの各癌関連遺伝子についても同様のPCR-SSCPを用いたスクリーニングを行ったが、p53癌抑制遺伝子に関しては1症例に変異バンドが検出され、missense mutationを同定した。K-rasについては変異バンドは検出されなかった。また、手術時に正常組織を採取し得た症例については、19番染色体短腕(19p13.3)にあるマイクロサテライトマーカーを用いてdeletion mapを作成中である。マーカーD19S216を用い現在14症例まで解析し、うち4症例にLOHと判定し得た。症例数の追加および、マイクロサテライトマーカーD19S565,D19S894を用いた検索も施行中である。
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